1998 Fiscal Year Annual Research Report
インフラ資産の会計と予算管理に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
10630132
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 清 岡山大学, 経済学部, 助教授 (60240090)
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Keywords | 発生主義会計 / インフラ / 公共事業 / 維持管理 / 資本費 / 予算 / ストック / 更新 |
Research Abstract |
道路,河川,上下水道等のインフラ資産は,公共事業で整備される主たる資産であるが,21世紀における本格的な更新受容に対応した適切な管理と効率的整備が求められている。このためには資産価値の適性な測定と計画的な管理が重要でストック面を含めた会計システムの確立が急務である。そこでストック管理を会計と予算システムを統合化して実施する改革をしている英国とニュージーランドの実態の解明と分析を行った。 まず,資産評価については,基本的なサービス供給が必要なインフラについては,更新に要する価額を算定し,残存耐用年数に見合う価値をもって貸借対象表価額としている。しかしながら,土地の評価については区々であり,また,ネットワークとしての効用を発揮するものについては,更新価額ではなく取得価額で計上する実務も英国自治体では採用されている。 次に,減価償却については,インフラ資産について通常の固定資産と区分しない考え方はニュージーランドであるが,英国ではアモーチゼーションや減耗相当分の積立金経理を採用しているのも見受けられる。また,耐用年数はニュージーランドでも自治体間で種々の数値が用いられており,自治体間のコスト比較の点では問題点といえる。 また,キャピタルチャージは,インフラ資産の使用コストを管理者に認識させるものであるが,英国及びニュージーランドでの実務は幾分異なっている。英国は名目的チャージであり支出ベースで予算に反映されないのに対し,ニュージーランドは実質的に賦課される。ただし,ニュージーランドでも自治体ではキャピタルチャージを課していないものもあり,経済的な機会費用を算定して公正な競争を促す意図は充分とはいえない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本 清: "公共事業の評価システムの検討" 都市問題. 第89巻第4号. 31-42 (1998)
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[Publications] 山本 清: "自治体の行政改革と政策科学" ECO-FORUM. Vol.17,No.2. 4-11 (1998)
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[Publications] 山本 清: "公共事業の在り方と評価システム" かんぽ資金. No.244. 4-9 (1998)
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[Publications] 山本 清: "事務事業評価システムの目的と可能性" 地方自治職員研修. 第31巻第9号. 17-19 (1998)
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[Publications] 山本清: "政策評価をめぐる議論と市民参加システム" 月刊自治研. 第40巻12月号. 26-32 (1998)
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[Publications] Eugenio Caperchione(ed.): "Comparative Issues in Local Government Accounting(未定)" Kluwer Academic Publishers, 300 (1999)