2001 Fiscal Year Annual Research Report
テンソル圏に対する新しい双対定理と位相的場の量子論の同値性
Project/Area Number |
10640019
|
Research Institution | Graduate School of Mathematics, Nagoya University |
Principal Investigator |
林 孝宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60208618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
中西 知樹 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80227842)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
|
Keywords | 量子群 / テンソル圏 / 淡中双対性 / 古典不変式論 / 逆行列 |
Research Abstract |
研究課題にある新しい双対定理とは、各有限分裂半単純テンソル圏Cに対し、余加群の圏がCに同値になるような面代数(量子群)を自然に対応させる標準淡中双対性と呼ばれるもののことである。標準淡中双対性はもともと、群やホップ代数の表現論からは得られない様な半単純テンソル圏に群論的意味付けを与えることを目的として考えられたものであったが、その後の研究により、群の表現の圏についても標準淡中双対性(より正確には標準ファイバー関手)により、新しい知見を与えうるということがあきらかになってきている。より具体的には以下の結果が得られた。 1.量子群SU_q(2)の有限次元表現のなすテンソル圏に標準ファイバー関手を適用することで、量子6j-シンボルをABF模型のボルツマンウェイトにより表示する公式と、通常の6j-シンボルに関するある種の和がかならず、0、1、-1のいずれかの値をとるという公式を得た。 2.標準ファイバー関手の古典不変式論への応用を考え、2元2次形式や2元3次形式の場合に、不変式環や半不変式の空間などに、ヤング図形上の半標準盤にラベルされた基底を構成した。より一般の場合については現在考察中である。 3.一般線形群の2つの既約表現のテンソル積に対し、表現空間のレベルでの具体的な既約分解を与えた。 その他、量子群論の手法を用いることにより、以下が得られた。 4.量子古典群とSU(N)_L型テンソル圏上のブレイド構造とリボン構造の分類。 5.線形簡約な行列群の各元に対し適用可能であるような通常より効率の良い逆行列の公式。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] T.Hayashi: "Face algebras and unitarity of SU(N)_L-TQFT"Communications in Mathematical Physics. 203. 211-247 (1999)
-
[Publications] T.Hayashi: "Galois quantum groups of II_1-subfactors"Tohoku Mathematical Journal. 51. 365-389 (1999)
-
[Publications] T.Hayashi: "Coribbon Hopf(face) algebras generated by lattice modds"Journal of Algebra. 233. 614-641 (2000)
-
[Publications] T.Hayashi: "A brief introduction to face algebras"Contemporary Mathematics. 267. 161-176 (2000)