1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640039
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中野 哲夫 東京電機大学, 理工学部, 講師 (00217796)
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Keywords | 3次元射影代数多様体 / SL(2)-作用 / 極小モデル |
Research Abstract |
筆者の研究テーマである,自己同型群Aut^0(X)が非可解群になる非特異3次元射影代数多様体Xの中で,最後まで構造の不明だった,特殊線形群G=SL(2)が作用し一般軌道が2次元のものの構造をほぼ明らかにすることができたので,以下で簡単に報告する.詳細は拙著論文Projective threefolds on whichSL(2)acts with 2-dimentional general orbits,Transaxtions of AMS,350(1998),2903-2924参照のこと. まず,1次元閉部分群H⊂Gに対して,G-作用を持つ3次元非特異射影代数多様体Xで.一般軌道がG/Hと同型であるもの全体をC(H)とおく.すると,G-同変的双有理同値類の分類は次のようになる.定理(1)Hが1次元トーラスでなければ,任意のX∈C(H)は,G/H×Cと(G-同変的に)双有理同値である.ただし,Cは自明なG-作用を持つ代数曲線である. (2) H=1次元トーラスならば,X∈C(T)は,G/T×Cと双有理同値であるか,あるいは,G/T×CをG-作用と可換なinvolutionで割ったものと双有利同値である. さらに,この双有理同値の分類結果をもとにして,不動点がない場合について,極小モデルの完全な分類と具体的記述を得た. 最近S.Kebekusによって、この分類結果が非特異の場合から、Q-分解的で高々端末特異点をもつ3次元代数多様体の場合に拡張された。現在、この結果をふまえ、Q-解的で高々端末特異点をもつ3次元射影代数多様体のカテゴリーで、自己同型群が大きい多様体の双有理幾何の精密な研究を計画している.
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Research Products
(1 results)