1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640052
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
柳井 忠 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 助教授 (50220174)
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Keywords | ホップ代数 / ガロア理論 / 環論 |
Research Abstract |
今年度の研究により次の結果が得られた. 有限次分裂ホップ代数Hが素環Rの対称的マルチンデール商環Qに,連続かつX外部的に作用しているとする.KをQの中心とする. スマッシュ積代数K#HのKを含む余加群部分代数∧がK上のフロベニウス拡大になっていれば,左∧加群-右H余加群は全て自由左∧加群となる.このことから,∧の左積分の集合は1次元の右K空間となり,0でない左積分は両側K-右H余加群として∧を生成している. K#Hの写像κ,μを・κ(α♯h)=ΣS^^-h_1・α#Sh_2,μ(α#h)=ΣS^^-hα(α∈K,h∈H,SはHのアンチポードでSはその逆写像)で定義する.K#HのKを含む余加群部分代数が全てK上のフロベニウス拡大になっている(この条件を(*)で表わす)と仮定すれば,∧の左右の積分ξ,ηに対して,κ(ξ)=(α#σ)η,μ(η)=ξ(α'#σ')となるKの元α,α'とHの群的元σ,σ'が存在する. 以上のことを使えば,条件(*)が成り立てば,Rの有理的完備な部分環で不定元からなる部分環を含むもの全体の集合と,K#Hの右余加群部分代数でKを含むもの全体の集合との間に,群のガロア対応を一般化する対応が存在することが分かる. 対応定理については,HがKに自明に作用する場合には2つの集合間に1対1の対応がつくことが前年度の研究で明らかになっていたが,上の結果によって条件を更に弱くすることができたことになる. 従って,条件(*)がいつ成立するかということの解明が今後の新たな研究の方向になってくる.
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[Publications] T. Yanai: "Automorphic-differential identities and actions of pointed coalgebras or vings"proceedings of the American Mathematical Society. 126. 2221-2228 (1998)
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[Publications] T. Yanai: "Faithful actions of pointed coalgebras on vings"Mathematica Japonica. 51 (1). 83-88 (2000)
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[Publications] T. Yanai: "Frobenins extensions of right comodule algebras"Memoirs of Niihama National College of Technology. 36. 97-101 (2000)