1998 Fiscal Year Annual Research Report
楕円型Artin群のmonodromy表現と楕円型Lie環の幾何学的構成
Project/Area Number |
10640054
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 浩嗣 北見工業大学, 工学部, 助教授 (50210472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 範男 , 助教授 (80211986)
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Keywords | アルティン群 / リー環 / モノドロミー / ワイル群 / ルート系 / ディンキン図形 |
Research Abstract |
楕円型単純特異点の普遍変形空間からdiscriminant setを除いた空間の基本群を楕円型Artin群と呼ぶ。このArtin群の構造を楕円型Dynkin図形(vanishing cycle)の言葉で表現することが、この研究の目的である。まず、A.B.Giventalのtwisted Picard-Lefschetz理論を用いて、楕円型Artin群のq-変形されたmonodromy表現を考える。このdataをもとにして生成元と関係式を楕円型Dynkin図形の言葉で表すことが出来た。また、副産物として楕円型Hecke環なる概念が定義出来、I.Cherednikのdouble affine Hecke環の部分環と成ることが示される。更に、楕円型Hecke環の有限次元既約表現が、A.B.Giventalのq-変形されたmonodromy表現として得られた。楕円型Artin群の概念は、斉藤恭司氏の楕円型ルート系の研究によりさらに一般化されている。即ち、楕円型Cartan部分環(楕円型Lie環がある)から無限枚の超曲面を除き、それを無限群であるWeyl群でわった空間の基本群を楕円型Artin群と呼ぶのである。この一般化された楕円型Artin群に対しても、affine Dynkin図形に1個頂点を付け加えた楕円型Dynkin図形の場合、同様の事実が成り立つことが分かっている。
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