2000 Fiscal Year Annual Research Report
結び目のエネルギーの研究(エネルギー最小元の存在と数値実験)
Project/Area Number |
10640085
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
倉田 俊彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40311899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 睦雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011697)
大仁田 義裕 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183764)
今井 淳 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70221132)
出口 哲生 お茶の水女子大学, 理学部(物理), 助教授 (70227544)
阿原 一志 明治大学, 理工学部, 専任講師 (80247147)
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Keywords | 低次元トポロジー / 結び目理論 / 結び目のエネルギー |
Research Abstract |
結び目理論の研究では、3次元空間に埋め込まれた円周の分類を行うために代数的な不変量が利用されるが、そのような議論と計算機科学における再帰プログラムの表示的意味論との間には強いアナロジーが存在する。これは、再帰プログラムを巡回グラフ書き換え系のような一種の巡回構造として捉えることができるためで、それによって、プログラム意味論は巡回構造に代数的な不変量を割り当てる理論と考えることができる。(実際、この二つの議論はトレース付きモノイダルカテゴリーと呼ばれる圏論の概念によって統一的に説明できることが知られている。) 結び目のエネルギーとは結び目全体のなす空間の上で定義された汎関数で、結び目が自己交叉しようとすると発散するようなものであるが、今年度は、数値実験によって各イソトピー類の中でエネルギーが最小となる元の存在について考察すると共に、上で説明した観点から、再帰プログラム(特に型なしラムダ計算)の表示的意味論の一般的な仕組みについても考察を与えた。そして、特に後者について、ラムダ計算の構文構造を弱外延性を持たない形で埋め込むことのできる代数構造を、これまで知られているものと比べ非常に分かり易い形で与えることができた。今後、上の抽象的な観点を経由して、このようなプログラムの構造に関する不変量の議論と結び目のエネルギーに関する議論との関連が明らかになることを期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshihiko Kurata: "Intersection and singleton type assignment characterizing finite Bolus-trees"Information and Computation. (To appear).
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[Publications] Hajime Ishihara Toshihiko Kurata: "Completeness of intersection and union type assignment systems for call-by・value λ-models"Theoretical Computer Science. (To appear).