1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 晋一 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10030777)
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Keywords | 3-manifolds / Heegaard splittings / handlebodies |
Research Abstract |
「研究目的」で成立することを予測した次の命題: 「もし境界をもつコンパクトで向き付け可能な3次元多様体Mが本質的な固有円盤を含むならば,MのSD-分解(=強意のハンドル体分解)の分解曲面Fと1本の単純弧で交わる本質的な固有円盤が存在する」 に対して,平成10年度の研究で反例が見つかったため,本年度はこの反例を考察することから始めた。 そしてまず,Casson-Gordonの定式化にしたがって,2次元球面との関係で可能な限り一般的な経円盤の完全系を見つけることとした。その結果が,「研究成果報告書」の定理4.3である。また,この定式化に沿って,固有円盤に対する同様な結果を与えるのが同報告書の補題5.3である。この補題はまだ改良の余地があるように思われる。この補題をもとに,境界が連結で,境界の種数とSD-分解の種数が等しい場合の本質的な固有円盤と分解曲面との交差を調べ,特に,ハンドル体のSD-分解による特徴付けを行った。 なお,上の補題5.3の定式化は1つの例であって,境界をもつ3次元多様体の研究に際して,「どのような形で定理としてまとめるのが有効であるか」は,今後の研究課題の1つである。
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