1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640111
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
大森 克史 富山大学, 教育学部, 教授 (20110231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 榮雄 富山大学, 理学部, 助教授 (60115128)
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Keywords | 有限要素法 / 自由界面 / 非圧縮性流体 / 2流体問題 / 表面張力 / 界面の収束性 |
Research Abstract |
本研究では,はじめに表面張力効果を考慮した高密度比,高粘性比を持つ2流体システムに対する有限要素スキームの開発を行った.数理モデルとしては2つのNavier-Stokes方程式を連立させた2流体モデルを採用した.さらに,界面での条件として速度の連続性および界面における力のバランスを表す力学的条件を課した.これらの連続問題の弱定式化を考慮した際,表面張力効果は界面における線積分で表現されるが,この有限要素近似においては,表面張力効果を有限幅を持つ界面領域で定義された局所的な体積力としてモデル化した.この項に含まれる単位法線ベクトルや曲率等は擬密度関数で表現しているが,特に曲率は擬密度関数の2階までの偏微分係数で表現する必要があるため,界面の支配方程式である移流方程式の有限要素近似としては,少なくとも6自由度が必要になることを考慮し,移流方程式の有限要素近似はP1同相P2要素を用いて行った.さらに,本スキーム用のプログラムを新たに作成し,空気とヘリウムのRayleigh-Taylorの不安定問題に適用した結果,従来のスキーム(1流体モデル)では捉えることが難しかったマッシュルームキャップの成長過程を見事に捉えることができ,本有限要素スキーム(2流体モデル)の有効性を示した. さらに,有限要素スキームの数学的解析の一つとして,近似界面の収束性について検討した.本手法では界面は擬密度関数の0レベルセットでimplicitに表されるので,一般に界面の収束性を直接議論することは難しい.そこで,擬密度関数の有限要素近似の収束性の仮定の下で,界面のある意味の収束性をHeaviside作用素を用いて証明した. また,本研究課題を支援する研究として,研究分担者である富山大学理学部助教授池田榮雄氏は3種競争拡散系における定常解,進行波解の存在と安定性,及びそれらの大域的構造についての数理解析を行った.
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[Publications] T.Sakuragi,K.Ohmori: "Cating simulations using the CIP-Galerkin method"Computational Fluid Dynamics Journal. Vol.8. 34-42 (1999)
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[Publications] H.Ikeda,T.Ikeda: "Bifurcation phenomena from standing pulse solutions in some reaction-diffusion systems"J. Dynamics and Differential Equations. Vol. 12. 117-167 (2000)