1998 Fiscal Year Annual Research Report
時間に依存するマルコフ過程のある種の極限定理とその応用
Project/Area Number |
10640127
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大島 洋一 熊本大学, 工学部, 教授 (20040404)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
税所 康正 熊本大学, 工学部, 助教授 (70195973)
横井 嘉孝 熊本大学, 工学部, 教授 (50040481)
櫃田 倍之 熊本大学, 理学部, 教授 (50024237)
内藤 幸一郎 熊本大学, 工学部, 教授 (10164104)
|
Keywords | エルゴード定理 / ディリクレー形式 / マルコフ連鎖 |
Research Abstract |
本年度の研究の主目的は、時間的に一様でないマルコフ過程のエルゴード極限定理を研究することであった。これは、時間的に一様な場合と同様に、再帰性と密接に関連があると考えられる。そこで、今年度の研究の始めに、ディリクレー形式およびそれと関連した再帰性について、該当する国内の研究者による研究打ち合わせを行った。そこにおいて、この様な極限定理は、単に時間的に一様な場合の一般化に止まらず、社会科学等の他の分野への応用とも密接に関連する重要な問題であることが指摘された。さらに、これらの問題に対しては、まだ満足すべき結果が得られていない事ことも明らかになった。時間的に一様な場合のエルゴード定理はホップ型の最大不等式が重要な役割を果たす。そこで、当研究でも、類似の不等式を導く事から始めた。しかし、そこから得られた結果は、多くの条件を課すため、満足すべきものではなかった。そこで、MeyerあるいはFitzsimmons等によるfilling schemeの方法の拡張を試みた。その結果、強い意味で再帰的で、時間的に一様でないマルコフ連鎖の場合に、ある種の条件を付けると、滞在時間の平均値の比に関する極限値の存在を示す事が出来た。またその極限の特徴付けについても、ある程度の条件を付けると、得られる事が分かり、これについては現在整理中である。不連続過程で時間的に一様でないマルコフ過程の研究に関し、Jacob氏及び関連する国内の研究者を招き研究打ち合わせを行い、時間に依存するディリクレー形式を、非対称なディリクレー形式で近似出来、それを用いた不連続過程の性質の解析などの、問題点の整理及び研究の方向付けに関し成果が得られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Koichiro Naito: "Fractal dimensions and ε-syncronicity of multidimensional quasi periodic systems." Discrete Conti. Dynam.Systems. (to appear). (1999)
-
[Publications] Koichiro Naito: "Correlation dimensions of quasi-periodic orbits with frequencies given by Roth num-bers," Proceedings of International Conference on Mathematical Analysis. 1. 313-331 (1999)
-
[Publications] Koichiro Naito: "Lower estimates of dimensions for quasi-periodic orvits," 京都大学数理解析研究所講究録. 1031. 110-125 (1998)
-
[Publications] Yasumasa Saisho: "Limit theorems and random spacings related to cutting of DNAs by radiation" Statistics and Probability Letters. (to appear).