1999 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィランダム集合に基く収束定理とモデリングに関する研究
Project/Area Number |
10640137
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 洋 東京理科大学, 経営学部, 教授 (90096694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
施 建明 東京理科大学, 経営学部, 助手 (70287465)
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Keywords | ランダム集合 / ファジィランダム集合 / 収束定理 / 従属性 / 交換可能性 / 平均挙動 / 重み付き総和 / 大域最適化問題 |
Research Abstract |
ランダム集合列の平均拳動に関しては、通常仮定される独立で同一分布に従う場合(Independent and identically distributed,略して IID)は現実的ではないので、従属性を仮定する。従属性の中でも、特に有用なのは交換可能性(Exchangeability)である。この交換可能性から導きだされる主な特色としては、(1)ランダム集合列の平均は、σ-加法族を適当に選ぶことによりそのσ-加法族を条件とする最初のランダム集合の条件付き期待値に等しい。更に、(2)もしランダム集合列が交換可能性をもった無限数列のとき、ある確率測度が存在してその確率測度に関してランダム集合列はIIDとなることが知られている。 ランダム集合列の平均挙動についての収束定理に関しての過去の研究結果は、σ-加法族を適当に選びそのσ-加法族を条件としたときの条件付き期待値が逆マーチンゲール(Reverse martingale)である場合の平均挙動の収束定理であった。ここでは、配列をもつファジィランダム集合列が平均挙動の拡張である重み付き総和の挙動についての収束性を考える。α-レベル集合列(ランダム集合列)はコンパクトで凸集合とし、行単位で交換可能であると仮定する。また、ファジィランダム集合列の重みは配列の各行の集合からなる対称関数とする。平均挙動の収束定理の場合より少し複雑になるが、これらの仮定以外にもいくつかの必要となる条件を加えて、ハウスドルフ距離の拡張を用いて、ファジィランダム集合列の重み付き総和の挙動についての収束定理を導いた。 一方、ファジィ性を伴う制約条件下での大域最適化問題を考えた。目的関数は凸であり、実行可能領域はコンパクト凸集合とファジィ性を伴う制約条件からなっている。この問題は、ファジィ性の制約がない場合でも典型的なNP-困難な問題で、大域最適化手法を用いて幾つかのアルゴリズムを提案した。また、そのアルゴリズムの効率性を検証するために数値実験を行った。
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