2001 Fiscal Year Annual Research Report
多成分反応拡散系のアトラクターの構造と遷移ダイナミックス
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10640141
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Research Institution | Kyoto Sangyou University |
Principal Investigator |
細野 雄三 京都産業大学, 工学部, 教授 (50008877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 芳樹 京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
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Keywords | Lotka-Volterra競争系 / Lotka-Volterra餌食・捕食者系 / 進行波解 / 最小速度 / 相平面解析 / 自己触媒反応 / 不安定化 / 比較定理 |
Research Abstract |
(1)Lotka-Volterra 2種競争系において、開放空間への侵入を記述する進行波解について、プロフィールが単調でない進行波解の存在とその安定性について、数値シミュレーションにより明らかにした。また、Lotka-Volterra2種餌食・捕食者系における開放空間への同時侵入を記述する進行波解についても、侵入が可能となるための条件を、数値シミュレーションにより明らかにした(International Conference on Mathematical and Theoretical Biology 2001にて口頭発表)。いずれの場合も、その数学的解析は今後の課題である。 (2)2成分自己触媒化学反応モデル(餌食・捕食者系モデルと見ることもできる)について、我々は、pulled frontsにおける速度決定のメカニズムを調べるため、高次の自己触媒反応について、反応物と自己触媒の拡散係数が一致する場合と反応物が拡散しない場合を中心として考察した。拡散係数が一致する場合には、系は単独の密度依存型拡散方程式に帰着できることを示し、既知の結果から進行波解の最小速度の評価を得た。また、反応物が拡散しない場合にも、単独の密度依存型拡散方程式の進行波解に対する相平面解析の手法を適用することにより最小速度の評価を解析的に与えることに成功した。これらの結果は、自己触媒反応の次数が上がると、進行波の速度が遅くなることを示しており、そのことが進行波の不安定化を引き起こし、数値計算で得られている様な時間的空間的非一様な解を生みだしていることを示唆している(研究集会「非線形拡散系とその周辺」2001年10月17-19日にて口頭発表)。これらの結果に基づいた安定性を含めた解析は今後の重要な課題の一つである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 河原弘和, 細野雄三: "高次自己触媒反応拡散系に対する進行波解"京都産業大学計算機科学研究所所報. 17巻・2号. 33-65 (2001)
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[Publications] Y.Hosono, H.Kawahara: "The minimal propagation speed of travelling waves for autocatalytic reaction-diffusion equations"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. Vol.18. 445-453 (2001)
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[Publications] Y.Hosono: "Travelling waves for diffusive Lotka-Volterra competition models I -A singular perturbation approach"Discrete and Continuous Dynamical Systems SeriesB. (2002)
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[Publications] Y.Tsujii, M.Yasugi, T.Mori: "Some Propeerties of the Uniform Topological Space"Lecture Notes on Computer Science. Vol.2064. 336-356 (2001)