1998 Fiscal Year Annual Research Report
ある反応拡散方程式の縮約系と2次元パターンについて
Project/Area Number |
10640143
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
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Keywords | 反応拡散方程式 / 縮約系 / 特異極限解析 / ケラー・ジーゲル モデル / 進行波解 |
Research Abstract |
移流と増殖項を含む、ある種の生物モデルから得られた反応拡散方程式系の非負大域解の存在を、エネルギー評価を用いることにより、八木、三村両氏と共同で証明した。また、コンパクトで連結なアトラクターの存在も示したが、その次元についてはこれからの研究課題である(論文作成中)。以上の結果については、移流項の形(関数形)に制約を置く必要がある。モデルの立場からすると、自然に導かれる関数形の一つがこの範疇に入らないので、これについても研究を続行する予定である。 次に、上記方程式について、2次元帯状領域での1次元平面進行波の安定性を、特異極限法を用いて証明した。特に、方程式が含む十分小さいパラメーターに関して、その最大不安定波長の依存性を明らかにした。また、数値計算において、それを確認するとともに、不安定パターンを追跡するとにより、2次元進行波解が求められた。この2次元進行波解の安定性を考える場合に、1次元パルス平面定常解と2次元軸対称定常解の安定性が重要な要因であることを、数値計算により示した。その上、1次元と2次元進行波解の速度を比較することで、一生物学上興味ある現象が得られる(J.Maht.Biologyに投稿中)。 また、3次元空間に於ける軸対称定常解及び、円柱定常解の存在については、すでに、刊行されている論文の中で示した。しかし、その安定性は、未解決である。そこで、方程式の極限系を解析することにより、結果的には、定常解の安定性は2次元の場合と殆ど同じであることが予想される。
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