1998 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換に対するマーサー型・タウバー型定理とその応用
Project/Area Number |
10640145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50168431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 寿夫 福岡教育大学, 教育学部, 助手 (10304693)
三上 敏夫 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70229657)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (80134807)
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Keywords | 偏相関関数 / タウバー型定理 / フーリエ変換 / 定常時系列 / ハンケル変換 / アーベル型定理 / 長時間記憶 / フーリエ級数 |
Research Abstract |
1.定常時系列の偏相関関数の挙動。これに関して大きな成果が得られた。定常時系列の偏相関関数は有限部分からの予測に関する量であるため、解析的な取り扱いが難しく、その漸近挙動について詳しい研究は行われていなかった。井上はタウバー定常時系列に対し、その偏相関関数の長時間での挙動を決定した。得られた結果によれば、そのような偏相関関数の挙動dには、驚くほどの正則寸生があることがわかる。またここで用いられた証明のアイディアはこれからもいろいろ応用されることが期待される。主なアイディアは次の二つである。(a)一般の非決定的定常時系列に対し無限AR係数列と無限MA係数列が定義できるのだが、それらの漸近解析を行なう。(b)無限の過去と無限の未来の交差に関するSeghier-Dymの定理の離散版を証明し、それを用いて我々に必要な予測誤差に対するタウバー型条件を導き出す。 2.ハンケル変換及びフーリエ変換に対するアーベル・タウバー型定理。これが井上らにより新しく証明された。これはコサイン変換に対する井上の結果や、ハンケル変換に対するBinghcn-井上の結果をより高次の指数に対し拡張したものである。この定理の応用として、1960年代に提出された、単調とは限らないフーリエ係数を持つフーリエ級株に関するBousの問題が解決された。この問題は、指数の除外値についてもアーベル・タウバー型定理を求めよというものである。
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[Publications] N.H.Bingham: "Ratio Mercerian theorems with applications to Hankel and Fourier transforms" Proc.London Math.Soc.(in press).
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[Publications] N.H.Bingham: "Extension of the Drasin-Shea-Jordan theorem" J.Math.Soc.Japan. (in press).
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[Publications] A.Inoue: "Abel-Tauber theorems for Hankel and Fourier transforms and a problem of Boas" Hokkaido Math.J.(in press).
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[Publications] A.Arai: "Representation-theoretic aspects of two-dimensional quantum systems in singular vector potentials" J.Math.Phys.39・5. 2476-2498 (1998)
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[Publications] T.Mikami: "Asymptotic behavior of the first exit time of randomly perturbed dynamical systems with a repulsive equilibrium point" J.Math.Soc.Japan. 50・1. 95-117 (1998)
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[Publications] T.Nakata: "Pianigian-Yorke measures for non-Holder continuous potentials" Hiroshima Math.J.28・1. 95-111 (1998)