1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640153
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 久義 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50272597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
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Keywords | 実簡約群 / 退化系列表現 / derived functor module / 既約ユニタリ表現 / 分岐則 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の研究の継続として、実簡約群の退化系列表現の研究を主におこない、以下のような結果を得ることができた。SO(m,n)あるいはU(m,n)の極大放物型部分群でそのLevi partがSO(m-n)×GL(n,R)あるいはU(m-n)×GL(n,C)になるようなものを考える。このような放物型部分群でSO(m-n)(あるいはU(m-n))の既約有限次元表現とGL(n,R)(あるいはGL(n,C))の一次元表現の外部テンソル積表現からの誘導表現になっているような退化系列表現を考える。昨年度に示したことはSO(m,1)(あるいはU(m,1))への制限を考えることにより、われわれが考えている退化系列表現の可約性が出て来ることであった。ここで問題になるのはそれ以外に可約性が出て来るかどうかであるが、本年度はこのことを調べた結果U(m,n)の場合とSO(m,n)でGL(n,R)の一次元表現のパラメーターが「十分大きい」場合には、昨年度に得られた可約性以外の可約性が出てこないことがわかった。SO(m,n)の場合はかなりデリケートであり、パラメーターが退化しているような場合には、Farmarによって新たな可約性が出現することが知られている。われわれの退化系列表現の可約性は極大コンパクト部分群への制限を考えたときの分解と整合的な形で具体的に記述されている。このことより退化系列表現の既約成分のうち、Derived functor moduleと言うクラスの重要な表現を特定することができる。またわれわれの可約性の記述はSO(m,k)(k<n)への分岐則とも整合的であり、既約成分となっているDerived functor moduleの具体的な分岐則を導くことができる。
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