1999 Fiscal Year Annual Research Report
多粒子系シュレディンガー作用素に対するスペクトル・散乱理論
Project/Area Number |
10640162
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩下 弘一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30193741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 淑之 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80223981)
南 範彦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80166090)
竹本 史夫 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50022645)
山岸 正和 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (40270996)
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Keywords | Bender-Wu formula / Rayleigh-Schrodinger係数 / 軸対称 |
Research Abstract |
平成11年度年度は、課題研究の一環として韓国、光州市、全南国立大学のMinkyu Kwak教授と共同で微分方程式に関する国際シンポジウムを1999年7月に全南国立大学で開催し,韓国、日本、台湾から多数の参加者を迎えた。参加者の研究分野はシュレディンガー作用素に対するスペクトル・散乱理論をはじめとして、線型および非線型波動方程式、ナヴィア・ストークス方程式、非線型楕円型方程式などに対する可解性および解の漸近的性質の研究までと多岐にわたり、盛況な研究集会となった。特に、異なる分野の研究方法、結果は課題研究に別の視点を与えることになり参考になった。研究代表者は、その予稿集としてProceedingsを編集、出版し、国内外の関連研究者に配布し、さらに国外のいくつかの大学図書室からの照会により寄贈した。 科研費交付期間中における課題研究の最終目標としていた定数磁場におけるBender-Wu formulaに関するRayleigh-Schrodinger係数の評価、即ち、本質的にはgrand stateの磁場の大きさに関する評価を、一般の必ずしも軸対称ではないポテンシャルに対して得ることは残念ながらできなかった。問題の本来の意味としては、磁場のない作用素に対して定数磁場を摂動頂として捉えるのであるが、実際の解析手順としては、定数磁場におけるSchrodingerに対してポテンシャルを摂動頂として捉える。さらに、ポテンシャルが軸対称である場合には、2次元調和振動子を持つSchrodinger 作用素からの摂動として捉えることができる。一般の場合にはこの道筋を辿ることはできない。Stark効果におけるresonanceの研究を参考にして、擬微分作用素の範囲でのゲイジ変換、シンプレクティック変換等いろいろ試みたが、本質的に上記の手法に取って代わるだけの手法を見い出すまでには至らなかった。
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