Research Abstract |
Lauricellaのn変数超幾何関数F_Dが満たす微分方程式系(HGFD)のモノドロミー群は自然にn+2次の純組紐群(pure braid group)のn+1次元線形表現ρ_Pを与えるが,それは忠実(faithful)と予想されている.(HGFD)はn+2個の助変数を含むが,それらが全て等しいときρ_Pは自然に組紐群の線形表現ρ_Bに拡張されるが,ρ_BはBurau表現に他ならない. 今年度科研費による研究では,ρ_Pの忠実正の証明に取り組んできて,n=2の場合,つまり4次の純組紐群の超幾何表現が忠実であることの証明に成功した.方法は次の通りである.U_0=P^1\{0,x,y,1,∞}をuを非斉次座標とするRiemann球上の領域とし,C(p,p_0,p_1,p_2,p_3)を次の式で定義され代数曲線とする,pは素数でp_i(i=0,1,2,3)は自然数である v^p=u^<po>(u-x)^<p1>(u-y)^<p2>(u-y)^<p3>. U_0上の単純閉曲線l(0のみを通る)のC(p,p_0,p_1,p_2,p_3)へのliftをl_Cとするとき,次の命題が成り立つことと,純組紐群の元がU_0上の単純曲線の組で与えられることが証明の要点である. 命題「U_0上のすべての単純閉曲線lに対してC(p,p_0,p_1,p_2,p_3)の全ての第一種微分のl_Cに沿う積分が0である,つまり,l_cがhomologically trivialである」が,全ての(p,p_0,p_1,p_2,p_3)について成り立つならば,lはhomotopically trivialである. この結果は8月に中国で開かれたISAACおよびICFIDCA主催の2つの国際学会で発表した.現在,論文としてまとめている途中である.
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