1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平地 健吾 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60218790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 幸男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80233170)
竹越 見昭 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20188171)
小松 玄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60108446)
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Keywords | ベルグマン核 / セゲー核 / グラウエルト柱状領域 |
Research Abstract |
本年度の研究では射影多様体のアンプル線束の零断面の近傍として与えられるグラウエルト柱状近傍領域のでのベルグマン核およびセゲー核の具体的な計算を行った。これらの核関数は線束に対するリーマン・ロッホ定理とつぎのように密接に関係していることがわかってきた。線束のn冪の断面に対する(多様体上の)ベルグマン核はグラウエルト柱状近傍領域のセゲー核のファイバー方向のn次フーリエ係数と一致する;線束のベルグマン核の多様体上での積分は線束の断面全体の空間の次元を与えるため、線束のベルグマン核の具体的な表示は局所リーマン・ロッホ定理を与えるといえる。 当初はグラウエルト柱状近傍領域のでの核関数の計算にこれまで用いてきたCR不変式論を応用することを試みたが、実際にはこれらの核関数の持つ双正則不変性が限られているためこの手法は困難であった。そのため、領域のCR不変量ではなく、底多様体のケーラー曲率をもちいて核関数の境界での漸近展開を計算した。ここで用いたのはBoutet de Monvelによる無限階ミクロ微分作用素の理論である。その結果としてセゲー核を表現するミクロ微分作用素のシンボルとセゲー核のフーリエ級数の間の簡単な関係式を得た。この関係式はフーリエ係数をケーラー曲率の不変式として書き下す代数的なアルゴリズムを与えている。古典的なリーマン・ロッホ定理によればこの係数は発散項を除けば特性類を用いて記述されることがわかる。シンボルと特性類との具体的な関連を与えるのが今後の課題である。
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Research Products
(1 results)