1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640182
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
保城 寿彦 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40211544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 充 大阪大学, 大学院・理学研究科数学専攻, 助教授 (60196756)
藤原 毅 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (10202293)
楳田 登美男 姫路工業大学, 理学部, 教授 (20160319)
岩崎 千里 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30028261)
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Keywords | 偏微分方程式 / 初期値問題 |
Research Abstract |
本課題では偏微分方程式でも特にSchrodinger方程式等の分散型方程式の初期値問題において生じる平滑化作用とその応用及び周辺分野について研究する.実関数論的なアプローチだけでなく、数理物理学的なアプローチや非線形問題などの周辺分野との関連を重視することを特徴としている.本年は次の様な結果が得られ、それらが学術雑誌に発表あるいは発表予定となった。 (1) スペクトル・散乱理論におけるMourre's commutator methodの平滑化作用への応用についての結果が得られた.これによってConstantin-Sautらによる定数係数の作用素について知られている現象が変数係数の作用素にも生じていることが示された.この結果によって平滑化作用が分散型方程式について一般に生じているいると予想され、一般化への端緒となった。 (2) Bessel関数などの特殊関数についての古典的事実を用いて、いままで知られていた定数係数の場合の平滑化作用の結果の精密化が得られた。 (3) 凸でない特性集合を持つ波動方程式の基本解の評価についての結果が得られた。L^PP-L^<P'>評価について凸の場合に無かった現象が発見された。 (4) torusにおける定数係数の作用素の固有値の漸近分布の剰余項についての結果が得られた。本貢題のような凸性と関連した実関数論についての話題は1920〜30年代にvan der Corputが行った解析的整数論についての仕事(Weylのcircle problem等)に起源を持つと言われている.この結果で元の地に戻ってきたような気がする。最近の結果に解析的整数論の技術を応用したり、あるいは逆に最近の結果が整数論になにがしかの貢献をなせる時代になってきたのかもしれない。
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[Publications] 保城 寿彦: "Mourreの方法とsmoothing effect" 数理解析研究 講究録. 1059. 51-58 (1998)
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[Publications] 保城 寿彦: "Mourre's method and smoothing properties of dispersive eguations" Communications in Mathematical Phisics. (掲載予定). (1999)
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[Publications] 保城寿彦: "On the estimates for Helmhdz operator" Tsukuba Mathematical Journal. (掲載予定).
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[Publications] 杉本 充: "Estimates for Hyperbolic Eguations of Space Dimension 3" Journal of Functional Analysis. 160 No2. 382-407 (1998)
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[Publications] 杉本 充: "A remark on the asymptotic properties of eigenvalues and the lattice point problems" Tohoku Mathematical Journal. 50. 597-611 (1998)
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[Publications] 杉本 充: "非斉次シュレディンガー方程式の初期値問題のsmoothing effect" 数理解析研究所講究録. 1059. 89-100 (1998)