Research Abstract |
滑らかな境界∂Ωを持つ有界な内部領域Ω⊂R^nに対して U_<tt>-Δu+μu=au^m ,μ>0,a≠0 in (t,x)∈[0,∞)×Ω ...(1) u|∂Ω:0 ...(2) を満たす時間大域的古典解を求める問題について筆者は,μ=λ+α^2,λ:-Δの固有値の一つ,のとき,m,a,nにある条件を課すとき問題(1)(2)を満たす指数的減衰をする古典解を得,この際,解はある楕円型境界値問題の解に収束することを示した.このとき用いられた方法は,時間変数に適当な変換を施すことでSingular hyperbolic operatorの議論に帰着させてその議論を用いた.さらに筆者はガレルキンの方法を導入することで(1)(2)の解を求めた.このとき,解の属する空間は狭くなり,幾つかの付加条件が必要となったが,前回の結果が少なくとも一つの解得ただけなのに対し,指数的減衰をする解を可能な限り多く(無限個)得ることができ,またそれらの解の構造を詳しく調べることができた.これはガレルキンの方法によって,解を具体的に構成することによって可能となった. また,このとき用いた方法を発展させてこれらとは異なる減衰をする解を構成した.実際,次の方程式に対し,(2)を満たし,多項式オーダーの減衰度の違いを持つ解を構成することができた. U_<tt>-ΔU+(μ+((β(β+1))/(1+t)^2)+(2αβ/(1+t))u=au^m,μ=λ_l-Δの第一固有値,α,β>0 in(t,x)∈[0,∞)×Ω. (1+t)^2 1+t この方法は、さらにEuler-Poisson-Darboux方程式にも適用できるものと思われる.また,ある弱双曲型方程式の混合問題にも応用することで,1971年O.A.Oleinikによる弱双曲型方程式の初期値問題On the Cauchy problem for weakly hyperbolic equations, Comm. Pure and Appl. Math.の結果に対応する結果を得ることができたことをここに報告する.
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