1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640194
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山田 修宣 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (10037749)
成木 勇夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (90027376)
新屋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (70036416)
佐藤 洋祐 立命館大学, 理工学部, 教授 (50257820)
荒井 正治 立命館大学, 理工学部, 教授 (20066715)
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Keywords | Dirac作用素 / スペクトル / 固有値 / 連続スペクトル / 自己共役作用素 / 相対論的量子力学 |
Research Abstract |
本年度は、ディラック作用素H=α・D+m(x)β+q(x)の固有値の非存在と本質的自己共役性を中心に研究した。 1. 固有値の非存在に関しては、m(x)とq(x)が3次元空間で恒等的に等しく、遠方で正の無限大に発散する場合について、負の固有値が存在しないための一つの十分条件を与えた。ミュンヘン大学のK.M.Schmidt氏との共同研究、Schimidt-Yamada (1998)では、球対称性を仮定した場合に負のスペクトルが絶対連続であるための十分条件を、常微分方程式のスペクトル論に帰着させて考えたが、この結果では球対称性を仮定せず部分積分法だけで証明することを試みた。 この結果については、1998年10月の信州大学における研究集会、京都大学数理解析研究所での作用素論セミナー、11月の愛媛大学における研究集会などで研究発表した。さらに、「Dirac作用素の固有値の非存在に関する一つの結果」 として、立命館大学理工学研究所紀要に発表する。 2. m(x)とq(x)が原点の近くで特異性を持つ場合のHの本質自己共役性については、ミュンヘン大学のH.Kalf氏との共同研究が進行中である。m(x)が定数であって、q(x)がクーロン力、すなわち、q(x)=e/rの場合のHの本質的自己共役性の必要十分条件は、|e|【less than or equal】√<3>/2であることは従来よりよく知られている。m(x)が原点でクーロン力より強い特異性を持つ場合は、q(x)の特異性もm(x)の特異性を超えない程度で強い特異性が許されることが分かった。この結果と従来の結果を統合して一般的な定理を与える論文を現在準備中で 1999年3月にアラバマ大学バーミングハム校で開かれる国際研究集会に出席して、1、2の結果を研究発表する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.M.Schmidt and O.Yamada: "Spherically symmetric Dirac operators with variable mass and potentials infinite at infinity" Publ.RIMS,Kyoto Univ.34. 211-227 (1998)
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[Publications] 山田 修宣: "On the spectrum of Dirac operators with potentials diverging at infinnity" 京都大学数理解析研究所講究録. 1047. 126-133 (1998)
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[Publications] 山田 修宣: "Dirac作用素の固有値の非存在に関する一つの結果" Mem.Inst.Sci.Engi.,Ritsumeikan Univ.57. 50-55 (1998)
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[Publications] M.Arai: "Restration of lost samples by oversampling near the Nyquist rate" Japan J.Indu.Appl.Math.16. 123-136 (1999)
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[Publications] 佐藤 洋祐: "Von Neumann regular rings上の多項式環におけるグレブナー基底について" 京都大学数理解析研究所講究録. 1038. 40-48 (1998)
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[Publications] Y.Inaba and H.Shin'ya: "On a Frobenius reciprocity theorem for linesr system representations" Mem.Inst.Sci.Engi.,Ritsumeikan Univ.57. 4-32 (1998)
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[Publications] 笠原乾吉・杉浦光夫編: "20世紀の数学" 日本評論社, 298 (1998)