1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640229
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
郷田 直輝 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 教授 (50202073)
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Keywords | 銀河形成 / 宇宙の大構造 / 自己重力多体系 |
Research Abstract |
1.先ず、銀河形成や深宇宙天体の形成・進化の理論的解析を準解析的手法によって行った。具体的には、 (1)銀河やライマンαの森などのQSO吸収線系の形成進化に重要な影響を及ぼすと考えられているQSOからの紫外線背景輻射の効果を準解析的モデルに世界で初めて導入して、銀河の形成進化を解析し、その効果を明らかにした。 (2)銀河団中で観測されている楕円銀河の色一等級関係が、階層的集団化シナリオにおいて、どのような物理的理由で成り立つのかを明らかにした。 (3)銀河の光度関数の時間進化の解析を行った。そして、銀河形成に関わる様々な物理過程のうち、どのような過程が如何に光度関数の進化に影響を及ぼすかを解明した。 2.銀河の緩和過程に密接に関わる自己重力多体系に関する緩和過程の解析を行った。その結果、一次元重力シート系における緩和時間とKSエントロピーやリアプノフ指数で特徴づけられる時間尺度との違いが明白となった。 3.銀河の力学構造とも密接に関わるダークハローの中心部における密度分布とダークマター分布の2点相関関数やパワースペクトルとの関連について明らかにした。その結果、中心部の密度分布のベキ指数が1.5より小さい場合は、非線形領域ではstable clusteringと言われる力学平衡状態は成立し得ないことが明らかとなった。
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[Publications] Masahiro Nagashima: "Effects of the UV Background Radiation on Galaxy Formation"Monthly Notice of Royal Astronomical Society. 305. 849-860 (1999)
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[Publications] Toshio Tsuchiya: "Relaxation and Lyapunov time scales in a one-dimensional gravitations sheet system"Physical Review E. 61. 948-951 (2000)