2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640229
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
郷田 直輝 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 教授 (50202073)
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Keywords | 銀河形成 / 宇宙の大構造 / 自己重力多体系 |
Research Abstract |
1.銀河形成や深宇宙天体の形成・進化の理論的解析を準解析的手法によって行った。 具体的には、 (1)楕円銀河における分子ガスの検出率を準解析的アプローチを用いて評価した。その結果を観測結果と比較することにより、星形成の時間尺度が非常に長い場合は、観測結果を説明できないこと、また観測結果を説明するためには、星形成もしくは、超新星爆発に伴うガスの再加熱による星間ガス量の減少が必要であることを示した。 (2)銀河団中で観測されている楕円銀河の色-等級関係が、階層的集団化シナリオにおいて、どのような物理的理由で成り立つのかを明らかにした。特に、超新星爆発による星形成に対する抑制効果以外に、紫外線背景輻射による星形成抑制も重要な効果であるとともに、銀河間ガスの金属量の評価にも重要な影響を及ぼすことを明らかにした。 (3)階層的集団化シナリオにしたがい、従来考慮されていない、銀河の観測の際のセレクション効果や、銀河間ガスによる吸収なども考慮し、銀河計数を準解析的アプローチにより解析した。そして、HSTで得られている観測結果と比較し、Einstei-deSitterモデルは完全に却下され、宇宙項入りの平坦な宇宙モデルが適切であることが分かった。 2.銀河の力学構造とも密接に関わるダークハローの中心部における密度分布とダークマター分布の2点相関関数やパワースペクトルとの関連について明らかにした。その結果、中心部の密度分布のベキ指数が1.5より小さい場合は、非線形領域ではstable clusteringと言われる力学平衡状態は成立し得ないことが明らかとなった。
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[Publications] Taihei Yano: "Universal Profile of the Dark Matter Halo and the Two Point Correlation Function"Astrophysical Journal. 539. 493-496 (2000)
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[Publications] Yutaka Fujita: "The Detection Rate of Molecular Gas in Elliptical Galaxies : Constraints on Galaxy Formation Theories"Publication of Astronomical Society of Japan. 52. 743-748 (2000)