2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640231
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松田 卓也 神戸大学, 理学部, 教授 (20026206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 教授 (30172282)
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Keywords | 降着円盤 / 渦状衝撃波 / 数値実験 |
Research Abstract |
降着円盤とは、白色わい星、中性子星、ブラックホールなど、いわゆるコンパクト天体の周りにできたガスの円盤である。本研究では近接連星系に存在する降着円盤の3次元数値流体力学シミュレーションを行った。計算法は有限体積法で、リーマン解法としてSFS法を採用した。計算領域は、質量降着が起こっている主星とガスを供給している伴星を含む。ガスの状態方程式としては、完全気体のそれを採用した。その結果、ラグランジュL1点から流れ出したガス(L1流)は、採用したパラメターの範囲では、円盤に貫入することが分かった。貫入したガスに、公転している円盤ガスが衝突して、細長い衝撃波を形成することが分かった。これをわれわれはL1衝撃波と名付けた。それとともに、すでに我々が発見していた渦状の衝撃波も見いだされた。L1衝撃波のために、円盤ガスは角運動量を失い、中心星に落下する。我々は従来、渦状衝撃波による角運動量輸送機構を提案してきたが、その大きさは必ずしも十分でなかった。本研究で見いだしたL1衝撃波による角運動量損失は十分に大きいことが分かった。1997年になって英国の天文学者が、激変星ペガサス座IP星において、予言通りの渦状構造を発見して以来、渦状衝撃波モデルは世界の注目を浴びるようになった。またL1流の貫入現象も最近発見された。上記の計算の問題点は、輻射輸送による冷却が陽に考慮されていないことである。かわりにガスの比熱比γを断熱気体の5/3から1.01に下げることにより、その効果を代替した。われわれは今後、有限体積法ではなく、モンテカルロ直接法による数値シミュレーションを計画している。そして2次元の場合には予備的な結果を得ている。さらに計算を3次元に拡張して、熱伝導を陽的に解くことにより、輻射輸送をシミュレートすることを考えている。
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[Publications] Eiji Hayashi: "Is angular momentum in an accretion disk transported inwards?"Progress of Theoretical Physics. (印刷中). (2001)
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[Publications] Takuya Matsuda: "Numerical Simulation of Accretion Discs in Close Binary Systems and Discovery of Spiral Shocks"Astrophys. Space Sci.. 274. 259-273 (2000)
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[Publications] Makoto Makita: "Two- and Three-Dimensional Numerical Simulations of Accretion Discs in a Close Binary System"Monthly Notices of Royal Astronomical Society. 316. 906-916 (2000)
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[Publications] N.V.Pogorelov: "Nonevolutionary MHD shocks in the solar wind and interstellar medium interaction"Astron. & Astrophys. 354. 697-702 (2000)
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[Publications] N.V.Pogorelov: "Towards steady-state solutions for supersonic wind accretion on to gravitating objects"Monthly Notices of Royal Astronomical Society. 313. 198-208 (2000)
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[Publications] 宮西正宜 編: "科学技術と人間の関わりII"大阪大学出版会. 256 (2001)
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[Publications] 林晋 編: "パラドックス"日本評論社. 239 (2000)