1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640235
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
村上 浩 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 教授 (40135299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 健 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学系, 助教授 (60165090)
名取 通弘 宇宙科学研究所, 宇宙探査工学系, 教授 (00013722)
紀伊 恒男 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助教授 (70183788)
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Keywords | スペース尺文学 / 赤外線尺文学 / X線天文学 / 軽量望遠鏡 / 高分子膜 |
Research Abstract |
X線、赤外・サブミリ波の天文観測は、人工衛星を使って地球大気の外に望遠鏡を設置できるようになって飛躍的に発展した。将来の計画では、さらに大口径(特にサブミリ波)、超高精度鏡面(特にX線)が要求される。しかし一方で、衛星搭載望遠鏡には極端な軽量化が求められる。本研究の目的は、高分子膜等の新しい材料を用いた、新しいタイプの軽量・高精度宇宙用望遠鏡の可能性を探ろうとするものである。平成10年度は、基本的な方式の検討と、基礎実験に必要な実験装置の作製を行った。 赤外・サブミリ波では、宇宙科学研究所の電波天文衛星「はるか」のアンテナ等で実鉦された膜面の構成技術に、鏡面のアクティブな補正を付け加えて鏡面精度を向上させる方法が、もっとも現実的であると考えられる。高分子膜の鏡面を大雑把に構成し、その上に貼られたピエゾフィル今等で面を補正する方法を試験する予定である。この目標を念頭に、ピエゾフィルムの特性を計測する実験を近々開始する。 X線では宇宙科学研究所のX線天文衛星「あすか」、ASTRO-E計画でアルミ薄板を基盤とした軽量・大面積のX線望遠鏡を実現している。しかし、数〜10秒角の解像度、より短波長のX線の結像観測といったより高度な観測要求に答えるために、より高い鏡面精度を実現する必要がある。高分子材料による軽量X線望遠鏡は以前も試みられてきたが、近年の材料科学の進展を取り入れ高分子材科を基盤とした高精度レプリカ望遠鏡を実現する方法を試験する。今年度は基礎実験のための設備の整備を行った。この成果を用い基礎実験を開始する。
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