1999 Fiscal Year Annual Research Report
25SISマルチビーム受信機による分子雲コアの形成と進化の観測的研究
Project/Area Number |
10640237
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 修一郎 国立天文台, 理論天文学研究系, 助手 (80270453)
北村 良実 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助教授 (30183792)
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Keywords | 電波天文学 / 分子雲 / 星形成 / 階層構造 / SIS受信機 / 高密度コア / マルチビーム受信機 |
Research Abstract |
本研究では、飛躍的に観測効率を向上させた25SISマルチビーム受信機観測システムを用い、星形成の初期段階の研究に取り重要な高密度分子雲コアの形成・進化を解明することを目的としている。今年度の研究の達成目的は,前年度の観測・測定等の結果を詳細に解析し,研究遂行の鍵を握るハード・ソフトの環境を最終整備することと具体的な観測計画の立案および観測開始であった。 我々は,25SISマルチビーム受信機システムが,より能力を発揮できるよう修正及び改良を加え装置の整備をはかった。特に,周波数スイッチ法による観測の実現を図った。従来のポジションスイッチ法による観測法では,望遠鏡移動によりデッドタイムなど無駄が発生し,データ取得時間の時間差によりデータの質の低下(ベースラインの歪み)が発生し,効率を落とす結果につながるからである。このマルチビーム受信機システムに対する我々の努力は,望遠鏡光学系に起因する問題のために一部機能に制限を設けているが,2000年5月に共同利用観測に供されることになっている。 一方で,高密度分子雲コアの形成・進化を探るために必要な観測計画(観測法・観測領域・観測輝線)を具体的に立案した。様々な機会(NROユーザーズミーティング等)を利用して多くの研究者と計画についての深い議論を行い,計画の内容をさらに良いものにする努力を行った。最終的に決定された3年間×500時間の観測計画の内容については,公の場に公表した。(観測領域・観測輝線については、webページ上で公表している。)実際には望遠鏡側の光学系に問題があることが判明したため,若干のプロジェクト観測計画を修正せざるをえなかったが,1999年11月からの観測シーズンでは,プロジェクト観測の一部を開始した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K. Sunada: "Development and first results of NRO 25-BEAM Array Receiver System (BEARS)"Proceeding of Imaging at Radio through Submillimeter Wavelengths. (in press). (2000)
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[Publications] M. Saito: "The Initial Conditions for Formation of Low-Mass Stars : kinematics and Density Structure of the Protostellar Envelope in B335"Astrophysical Journal. 518. 334 (1999)
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[Publications] M. Saito: "Dispersal of Dense Cores around Young Stellar Objects in Taurus"Proceeding of Star Formation 1999. 207-208 (1999)
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[Publications] T. Tsuribe: "Criteria for Fragmentation of Rotating Isothermal Clouds I, Semianalytic Approach"Astrophysical Journal. 526. 307 (1999)
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[Publications] T. Tsuribe: "Criteria for Fragmentation of Rotating Isothermal Clouds Revisited"Astrophysical Journal. 523. L155 (1999)