1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640238
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
出口 修至 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20197825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
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Keywords | メーザー / 銀河系 / 銀河回転 / バルジ / 棒状構造 / 一酸化珪素 |
Research Abstract |
本研究は、電波望遠鏡で晩期型星からの一酸化珪素のメーザー輝線を検出することにより、我々の銀河系中心部での恒星の運動を調べ、銀河中心周辺の環境と物理を明らかにするものである。本年度は以下の3つを実施した。(1)野辺山45m電波望遠鏡による銀河系中心部の一酸化珪素メーザー源の探索を完了した。約300個の色選別されたIRAS天体の一酸化珪素のメーザー輝線の検出を行い、その視線速度を得た。前年度得たデーターとあわせ、視線速度を解析した。(2)一酸化珪素メーザー源IRC-10414の超長期線干渉計観測の結果を解析し、メーザー輝線の輝度分布図を得、回転モデルを作った。(3)2.3m望遠鏡による撮像測光観測のデーター解析を行い、およそ500個の天体について、近赤外イメージデータから、J、H、Kバンドでの等級を得た。赤外線強度から推定された距離を使い、視線速度の解析を行った結果、銀河中心の前面にある星は、平均して大きな(ー46km/s)負の速度を示し、銀河中心の後ろにある星は、ゼロあるいはわずかに正の平均速度を示すことがわかった。この距離による視線速度の差は、いままで提唱されてきた銀河バルジが棒状構造をしており、その近い方の端が正の銀経方向にあるモデルと一致する。多くの星が棒状バルジ中を銀河回転と同じ方向だが、棒状ポテンシャルに沿った向きに運動する、と解釈される。出口は、主として、観測計画の作成、赤外線撮像データーを解析、また研究を統括、三好は電波スペクトルデーター及び超長基線干渉計のデーターの解析を行った。画像データーの整約のため、画像処理ソフトウエアを購入、また、アルバイト学生を使って、初歩的データー制約を行わせた。データー保存のため、バックアップ用の機器、及びメディア等も購入した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Imai H., Deguchi, S., Miyoshi, M.: "VLBA Observation of SiO Masers in the M Giant IRC -10414"Publication of Astronomical Society of Japan. 51. 587-593 (1999)
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[Publications] Deguchi, S., 他: "Apparent Double SiO Maser Source"Publication of Astronomical Society of Japan. 51. 355-361 (1999)
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[Publications] Jiang, B. W., Deguchi, S., 他: "SiO Masers in stars in the Inner and Outer Galactic Disk"Publication of Astronomical Society of Japan. 51. 95-102 (1999)
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[Publications] Izumiura, H., Deguchi, S., 他: "SiO Maser Survey of the Galactic Disk IRAS Sources. I. 15deg< l < 25deg, Near End of the Galactic Bar"Astrophysical Journal Suppliment Series. 125. 257-276 (1999)
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[Publications] Nakashima, J., Deguchi, S. 他: "Period Measurement of AGB Stars in the Outer Galactic Disk"Publication of Astronomical Society of Japan. 52(in press). (2000)
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[Publications] Deguchi, S. 他: "SiO Maser Survey of the Galactic Disk IRAS Sources. II. |l|< 3 deg, and |b|< 3 deg, the Galactic Center Area"Astrophysical Journal Suppliment Series. 128(in press). (2000)