1998 Fiscal Year Annual Research Report
広視野光学望遠鏡によるγ線バーストafterglowの可視光観測
Project/Area Number |
10640241
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 篤正 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任研究員 (80240274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
州之内 啓 理化学研究所, 研算科学研究室, 先任研究員 (10291923)
大谷 知行 理化学研究所, 研究基盤ツール開発推進グループ, 研究協力員(研究職) (50281663)
清水 裕彦 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (50249900)
大野 洋介 理化学研究所, 研算科学研究室, 基礎科学特別研究員 (00291914)
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Keywords | γ線バースト / 可視光トランジェント |
Research Abstract |
本研究の目的は、TOMBO計画開発のために試作した、口径20cmのプロトタイブ望遠鏡を用いて、γ線バーストに付随する可視光トランジェント天体を検出することにある。 TOMBOプロトタイプ望遠鏡を八ヶ岳南麓天文台に設置し、本年度は以下のような作業/試験観測を行なった。1 検出限界等級/ノイズの改善 適等な天域を10秒間の露出で撮像し、検出された星像とカタログされた星の位置を比較する方法で検出限界等級の測定を行なった。初期の段階で、信号読みだし系のノイズが限界等級を決定していることが判明した。そこで、データ読みだし系の計算機、電子回路を電気的に遮蔽するシールド箱を製作し、読みだし系の改善をおこなった。この結果、10秒露出画像1画像での限界等級は13等、32画像を合成したデータの場合は、14.5等が限界等級となった。 2 撮像素子の改善 プトロタイプ望遠鏡の視野は直径5度の広さをもつが、通常の民生用CCDでは、イメージサークルを覆うことができない。そこで、素子をテキサスインスツルメント社製のTC213からKodak社のKAFl6800に載せ代え、ドライブ系/データ取得系を変更した。KAF16800はビクセルサイズ9ミクロン、画素数4096×4096という高画質のものである。この結果、直径約3.5度のイメージを観測できるようにした。 3 GCNのγ線バースト情報にもとづく可視光バースト探査 GCNの情報配信をうけ、γ線バーストに伴う可視光トランジェントの探査を開始した。現在までに可視光トランジェントの検出には成功していない。 4 試験観測 小惑星等の試験観測をすすめた。特異小惑星1999CV3の検出に成功した。 5 データアーカイブの構築 生成される多量の画像データの保存、および理化学研究所でのオフサイト解析のために、PCベースのデータ記録系の構築を進めている。Linux使用した記録系を駆動系/読み出し系から分離する。
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