1999 Fiscal Year Annual Research Report
World-sheet instantonとstring duality
Project/Area Number |
10640253
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江口 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20151970)
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Keywords | 超弦理論 / シグマ模型 / カラビ・ヤウ多様体 / モジュラー不変性 / A-D-E分類 |
Research Abstract |
超弦理論においてカラビ・ヤウ多様体上の幾何学をランダウ・ギンツブルグ模型に置き換えて議論することが出来ること(CY/LG対応)は以前から良く知られている。ゲージ化された線形シグマ模型では,理論に現われるパラメーター(ファエ・イリオプーロスパラメーター)を変化させる事により,幾何学的な対象空間を記述する領域(カラビ・ヤウ)とスーパーポテンシャルの極値を記述する領域(ランダウ・ギンツブルグ)を内挿させることが出来る。 今年度,江口は秦泉寺(東大数理)と共に,CY/LG対応を調べ,対象空間がカラビ・ヤウ多様体以外の一般の複素多様体である場合にも,これがスピン多様体であればCY/LG対応に相当する関係が成り立つことを示した。特に,オイラー数,シグネチャー,楕円ジーナスなどの位相不変量が,双方の理論で計算したとき完全に一致する。 カラビ・ヤウ多様体Mが退化してそのサイクルが零につぶれる時,M上にコンパクト化された弦理論にはゲージ対称性のenhancementなど種々の非摂動的現象が生じる。このため,特異点をもつカラビ・ヤウ上を伝搬する弦理論の力学を調べることは特に興味深い。 江口は菅原と共に,孤立した特異点を持つカラビ・ヤウ多様体上を伝搬する弦理論の振幅に関して,モジュラー不変な分配関数を組織的に構成した。これらの分配関数はカラビ・ヤウ多様体がA-D-E型の特異点を持つのに対応して,A-D-E型の分類を持つ。
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