2000 Fiscal Year Annual Research Report
軽い不安定核の励起機構および不安定核を用いた反応の研究
Project/Area Number |
10640255
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 恒雄 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90018664)
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Keywords | ^<11>Beのパリティ反転 / グラウバー理論 / 不安定核 / 共鳴群法 / 反応断面積 |
Research Abstract |
^<11>Beの基底状態(1/2^+)と第一励起状態(1/2^-)のパリティ反転を起こしている要因を批判的に検討した。通常の解釈では基底状態は0^+と2^+の^<10>Be芯核にそれぞれs波、d波の中性子が結合したものとされる。これに対して^<10>Beの1^-あるいは2^-にp波が結合した成分が十分な束縛を与えるためにも重要であろうということを指摘した。その理由は、これら^<10>Beの負パリティ状態の励起エネルギーが約6MeVで2^+状態に比べて3MeVほど損をするが、中性子の軌道がpであるために有利であることによる。この可能性を具体的に検討するために、現在微視的多クラスター模型による計算を引き続き行っている。 核子と原子核の衝突の情報を含むプロファイル関数から原子核と原子核の衝突を記述する方法を発展させ、高エネルギーでの不安定核反応の弾性散乱角分布と反応断面積の分析を行った。入射核の質量数が少ない場合には厳密計算が可能でその計算コードは完成させた。質量数の増加につれて計算時間は膨大になるので近似計算に頼らざるを得ない。この近似法を求めるうえで、核子と原子核のプロファイル関数を用いる一つのメリットは、多くの原子核で確かめたように、核子と核子のプロファイル関数を用いる場合に比べて近似の精度をあげることが可能になることである。この近似法では原子核の密度のみ必要とされるので実験の解析に簡便な道具を提供したものと期待される。 共鳴群法で用いられるクラスター波動関数として、より精度の高い新しい型の波動関数を提案した。これを用いてp+^4He散乱の位相差を計算して実験データとの良い一致を得た。今後、色々な散乱、反応過程への応用が期待される。
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[Publications] B.Abu-Ibrahim: "Utility of Nucleon-target Profile Function in Cross Section Calculations"Physical Review C. 61. 051601-(R)1-4 (2000)
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[Publications] Y.Ogawa: "Miaoscopic Four-cluster Description of ^<10>Be and ^<10>C with the Stochastic Variational Method"Nuclear Physics A. 673. 122-142 (2000)
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[Publications] Y.Suzuki: "Excited states of the positronium molecule"Nuclear Instrument and Methods B. 171. 67-80 (2000)
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[Publications] B.Abu-Ibsahim: "Scatterings of complex nuclei in the Glauber model"Physical Review C. 62. 034608-1-12 (2000)
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[Publications] T.Kaneko: "Resonating-group calculations with a new type of cluster internal ware functions"Progress of theoretical Physics. 105,no2. (2001)