1998 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクト指向・ネットワーク分散オンライン環境の開発
Project/Area Number |
10640263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂本 宏 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80178574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 逸夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90133024)
田村 詔生 新潟大学, 大学院櫟然科学研究科, 教授 (00025462)
笹尾 登 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (10115850)
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Keywords | オブジェクト指向 / ネットワーク分散 / データ収集システム / オンライン環境 / 高エネルギー物理実験 / クラスライブラリ / C++言語 / Java言語 |
Research Abstract |
平成10年度において次の項目について進展を見ることができた。 (1)研究の対象とする様々な実験のためのオンラインデータ収集システムについて、オブジェクト指向解析設計手法を用い、かつネットワーク分散モデルを適用した分析をおこなった。 (2)それに基づき、データ収集システムを表現するいくつかのモデルを提唱した。すなわち、システム全体を流れるメッセージの意味づけ・役割に着目したメッセージ階層モデル、分散プロセスの関係を幾何学的に示すノード・リンクモデル、通信されるメッセージを表現するオブジェクト通信モデルなどである。 (3)次に上述のモデルを実装するために必要なクサルライブラリの設計を行った。そこではモデルに現れる主体と、それらが行為する対象をそれぞれクラスとして記述する。必要と思われるすべてのクラス定義を書き下し、関連するクラスの集合であるクラスカテゴリー、さらに大分類となるパッケージを定義した。 (4)それらのクラス定義に従い、C++言語およびJava言語を用いてクラスの実装を行った。現在まだ定義されたすべてのクラスの実装には至っていないがすでに200を越えるクラスについてコーディングとテストを完了している。これらのソフトウェアは利用可能なすべての計算機環境で実行が可能となるよう特別の注意が払われている。一部のクラスについては実際の実験にも応用されている。 (5)クラスタ実装作業においては研究分担する研究機関が複数にわたるためこれまでに二度ワークショップを開催し、大学院生の教育指導、設計方針の討論、実装スタイルの統一の確認などの作業を行ってきた。 (6)これまでに開発されたソフトウエアについてはhttp://konoe.kek.jp/konoe/をホームページとして公開してきており関連分野研究者の評価を得ている。また、日本物理学会1998年秋の分科会と同54回年会において成果報告を行った。
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