1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ振動とニュートリノ質量・混合の系統的研究
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10640274
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
谷本 盛光 愛媛大学, 教育学部, 教授 (90108366)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー対称性 / CP対称性 / ニュートリノ質量行列 |
Research Abstract |
初年度(平成10年度)の成果をさらに発展させるため、新しいニュートリノ振動の実験データを用いた現象論的研究を行い、ニュートリノ質量行列のモデルをゲージ理論の枠内で検討した。具体的には、フレーバー対称性のような世代構造を支配するモデルをニュートリノ振動の研究成果をもとにして研究した。とりわけ、S_3やO(3)対称性のような非アーベル群フレーバー対称性の可能性について研究した。この場合、三種のニュートリノは質量においてほとんど縮退することになる。その物理的効果の解明は今後の問題として残っている。 さらに、平成11年度から開始されたスーパー神岡とKEKでのLong Baseline実験からも多くの情報を得ることが可能であるので、理論的な予測と実験結果の関係を調べた。また、現在、国際的に検討されている次世代ニュートリノファクトリーの可能性を考慮し、可能なニュートリノ物理の実験を検討した。とりわけ、CP対称性の破れの観測については三世代と四世代ニュートリノの場合にわけて、地球の物質効果を考慮して定量的に研究し、その測定の可能性を明らかにした。三世代と四世代の区別はν_e→ν_uとν_e→ν_r過程のニュートリノ振動でのCP対称性の破れを観測することで可能になることを示した。 なお、これらの成果の一部は、論文発表だけではなく、1999年7月CERNでのニュートリノ研究集会でのセミナーや1999年9月ポーランドのUstronスクールでの招待講演で発表している。
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[Publications] M.Fukugita,M.Tanimoto,T.Yanagida: "Embedding phenomenlogical Buark-Lepton Matrices into SO(5) Gang model"Physical Review D. 59(11号). 113016-(1-4) (1999)
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[Publications] M.Tanimoto: "Buark-Lepton Mass Matrices with V(1)×Z_2×Z_2' Flaron Spmetry"Physics Letters B. 456(1号). 220-231 (1999)
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[Publications] T.Watari,M.Tanimoto,T.Yanagida: "Democratic Mass Matrices-from Broken O(3)_L×O(3)_R Flaron Spmetry"Physics Letters B. 461(3号). 345-351 (1999)
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[Publications] M.Tanimoto: "Search for CP violation with a nentrino factory"Physics Letters B. 462(1号). 115-120 (1999)
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[Publications] A.Kalliomaki,J.Maolampi,M.Tanimoto: "Search for CP violation at a nentrino factory in a from nentrino model"Physics Letters B. 469(1号). 179-187 (1999)