2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ振動とニュートリノ質量・混合の系統的研究
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10640274
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷本 盛光 新潟大学, 理学部, 教授 (90108366)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー対称性 / ニュートリノ質量行列 / ニュートリノ混合 / CPの破れ |
Research Abstract |
平成10年度-12年度の成果をさらに発展させるため、SNOやSuper-Kamの新しいニュートリノ振動の実験データを用いた現象論的研究を行い、ニュートリノ質量行列のモデルを検討した。 1.最近のデータをもとに、レプトンの混合行列の各成分の大きさをきめ、クォークの場合と比較できるようにした。現在の実験データを用いても、レプトンの混合行列の各成分の大きさは十分決まることが判明した。 2.SU(5)大統一理論の立場から、クォーク混合(CKM行列)とレプトン混合(MNS行列)の関係を定量的に議論し、bi-maximal混合(大角度が二つある混合行列)を得るための条件を繰り込み群の手法を用いて求めた。 3.ニュートリノと荷電レプトンの質量行列の可能なパターンを現象論的に分類した。その結果、かなり多くのパターンが可能であることが判明した。この研究は、モデルを作る場合に役にたつであろう。 4.ニュートリノ質量行列のモデルとμ→eγの分岐比の大きさの関係を明らかにした。ニュートリノ質量が縮退型のとき、この分岐比の大きさは比較的小さく押さえられ実験の上限と矛盾しないことが判明した。 なお、これらの成果の一部は、論文発表だけではなく、2001年5月に筑波市で開催されたNeuFACT01や12月に柏市で開催されたNOON2001で発表している。また、各地でのセミナーにおいても成果を報告している。
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[Publications] N.Okamura, M.Tanimoto: "Generic Relation of Flavor Mixings between leptons and Quarks in SV(5)"Progress of Theoretical Physics. 105・3. 459-469 (2001)
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[Publications] M.Tanimoto: "Large Mixing Angle MSW Solution in U(1) Flavor Symmetry"Physics Letters. B501・2. 231-236 (2001)
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[Publications] N.Haba, J.Sato, M.Tanimoto, K.Yoshioka: "Possible Mixing Patterns of Changed Leptons and Neutrinos"Physical Review. D64. 113016-(1-8) (2001)
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[Publications] A.Kageyama, M.Tanimoto, K.Yoshioka: "Low-energy constraints from grand unification of matter multiplets"Physics Letters. B512・3. 349-356 (2001)
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[Publications] M.Fukugita, M.Tanimoto: "Lepton Flavor Mixing Matrix and CP vivlation from Neutrino Oscillation Experiments"Physics Letters. B515・1. 30-32 (2001)
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[Publications] K.Kageyama, S.Kaneko, N.Shimoyama, M.Tanimoto: "Lepton Flavor Violating Process Degenerate and Inverse Hierarchical Neutrino Models"Physics Letters. 13527・2. 206-214 (2002)