2000 Fiscal Year Annual Research Report
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10640277
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| Research Institution | Saga University |
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Principal Investigator |
熊野 俊三 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10253577)
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| Keywords | 構造関数 / 陽子 / 重陽子 / スピン / パートン / クォーク / グルーオン / 量子色力学 |
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| Research Abstract |
最適偏極パートン分布
核子のスピン構造を解明するために、現存する陽子、重陽子と^3Heのg_1に関する実験結果を解析し、最適偏極パートン分布を提案した。Q^2=1GeV^2において偏極パートン分布を14個のパラメータで表現しておき、その偏極パートン分布を用いてスピン非対称性A_1を計算しχ^2=Σ(A^<data>_1-A^<calc>_1)^2/(σ_<A^<data>_1>)^2を最小にするようにパラメータの値を決定する。この様にして最適偏極パートン分布を求めることにより、グルーオンの偏極は大きい正の値であり、海クォークの偏極は小さい負の値であることが示された。この解析によれば陽子スピンのかなりの部分がグルーオンの偏極のよるものであると言える。しかしレプトン散乱の実験結果のみではグルーオン偏極について断言できず、実験的にはRHICにおける偏極ハドロン散乱の結果に頼らなければならない。
重陽子のスピン構造関数
構造関数b_1は1989年に提案されたテンソル構造関数であり、スピン1以上のハドロンに存在する。スピン1粒子として重陽子を考慮し、偏極陽子・重陽子Drell-Yan過程の理論的定式化を議論し、その反応において多数の構造関数が研究できることを示した。陽子・陽子反応の構造関数に加えて新しいテンソル構造関数が存在することを示し、これらの内のツイスト2の部分がスピン1粒子に特有な構造関数b_1に関係していることを明示した。次に、偏極陽子・重陽子Drell-Yan過程の定式化を用いて、その断面積と偏極反クォーク分布のフレーバー非対称性との関係を調べた。その結果、偏極陽子・重陽子と偏極陽子・陽子反応の断面積の差がΔu^^_とΔd^^_分布の違いに起因することが明らかになった。
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[Publications] S.Kumano,M.Miyama: "Proton-deuteron asymmetry in Drell-Yan processes and polarized light-antiquark distributions"Physics Letters. B497. 149-155 (2000)
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[Publications] Y.Goto et al.: "Polarized Parton Distribution Functions in the Nucleon"Physical Review. D62. 034017.1-18 (2000)
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[Publications] S.Kumano: "Possible Studies of Parton Distributions at JHF : polarized pd Drell-Yan process"Proceedings of the workshop on Di-lepton Experiments at 50-GeV PS. KEK2000-19. 69-74 (2000)
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[Publications] S.Kumano: "Parametrization of Polarized Parton Distributions"Proceedings of the XXXVth RENCONTRES DE MORIOND. (in press). (2000)
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[Publications] S.Kumano: "Polarized structure functions of the deuteron"Proceedings of the 14th International Spin Physics Symposium. (in press). (2000)
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[Publications] S.Kumano et al.: "Riken Review No.28"Riken Review focused on High Energy Spin Physics. 153 (2000)
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[Publications] S.Kumano et al.: "RIKEN-BNL Research Center"Proceedings of the Circum-Pan-Pacific RIKEN Symposium on High Energy Spin Physics(in press). (2000)
