1999 Fiscal Year Annual Research Report
擬1次元ハロゲン架橋金属錯体におけるソリトン対光生成の量子動力学
Project/Area Number |
10640319
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岩野 薫 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (10211765)
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Keywords | CDW / ソリトン / 緩和状態 / 無輻射遷移 / フォノンモード |
Research Abstract |
前年度に引き続き、非縮退電荷密度波(CDW)モデルを用いて、第一励起状態の緩和状態(confined soliton and anti-soliton)から基底状態への無輻射遷移の確率の評価を行った。前年度は、無輻射遷移の際に発生するフォノンモードとして、ソリトン・反ソリトン間距離のみを用いたが、これでは、確率が極めて小さくなり、正しい結果が得られなかったので、本年度は、2自由度の場合、多自由度の場合を考察したので、それらを以下に簡単に記す。 [2自由度の場合]第1自由度としては、前述のソリトン・反ソリトン間距離、そして、第2の自由度としては、各ソリトンの付近に局在した歪みの振幅とする。ここで、その歪みは、k=0の波数を中心としており、この選択は、前年度の知見に基づいている。結果的に、確率は飛躍的に増大し、励起状態の寿命として、例えば、ある場合に、8.6ns程度の値を得た。(1自由度の場合は、12ms程度だった。) [多自由度の場合]第1自由度は上記と同じで、第2自由度以降を、k=0のcosine型偶モードから、波数の小さい順番で導入する。なお、この場合、n、m(>1)番目のモード間はほぼ独立に扱えるので、2番目以降のモードの寄与は、干渉が無く、加算的になる。結果として、200サイトの系において、25個程度のモードの導入で、確率はほぼ飽和しており、40個程度の導入で、寿命として、100ps程度の値を得た。これは、格子を古典的に扱ったシミュレーションの結果である80psとかなり良い一致である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩野薫: "Mechanism for photo induced phase transitions in low-dimensional electron-lattice systems : Nonlinearity which respect to excitation density and aggregation of excited domains."Phy. Rev. B. 61. 279-289 (2000)
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[Publications] 岩野薫: "α possible mechanism for photo induced structural phase transitions in low-dimensional electron-lattice systems"J. Lumin.. in press.
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[Publications] 岩野薫 他: "Nonlinear excitations in charge - and spin-density-waul materials - Excitons, selitons and (bi) polarons"Synthetic Metals. 103. 2620-2623 (1999)