1998 Fiscal Year Annual Research Report
セリウム六ホウ化物希釈合金における多重極子相互作用と近藤効果の競合の研究
Project/Area Number |
10640323
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 慎太郎 東北大学, 極低温科学センター, 助手 (20292310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国井 暁 東北大学, 理学部, 助教授 (10004368)
坂爪 新一 東北大学, 極低温科学センター, 助教授 (20005896)
|
Keywords | Kondo effect / hevy Fermion / Magnetic Phase / Phase transiton / CeB_6 / Quadrupolar monent |
Research Abstract |
本年度は超音波装置の製作に取り組み,CexLa1-xB6の弾性定数の測定を行った.このために高周波発信機等の備品を購入した.超音波測定および比熱測定により,CexLa1-xB6の磁気相図を決定した.この結果零磁場のCexLa1-xB6においてはCe濃度が60%〜75%の間で磁気,軌道長距離秩序が消失することを明らかにした.このことにより,かねて申請者らが提案した通り,Ce濃度が50%の試料では磁気,軌道長距離秩序が存在しないことが裏付けられた.また,Ce濃度が75%の試料で新たな磁気相(IV相)が存在することを明らかにした.IV相の顕著な特徴の1つとして弾性定数C_<44>が常磁性相にたいして30%以上も小さいことを明らかにした.このことはIV相の微視的描像を理解するうえで極めて重要なことと思われる. 現在,さらにCe濃度を細かく変えたCexLa1-xB6の単結晶を製作し,それらの磁気相図,および弾性的な性質についての詳細な研究を行いつつある.このことにより,CexLa1-xB6における近藤効果による軌道自由度の消失機構,および新たに発見されたIV相の微視的描像を明らかにし,多年,謎が多いとされたCexLa1-xB6の磁気相図の総合的な理解が得られると確信する.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] O.Suzuki et al.: "Magnetic Phase Diagroms of Kondo Compounds Ce_<0.75>La_<0.25>B_6 and Ce_<0.6>La_<0.04>B_6" J. Phys. Soc. Jpn.Vol.67. 4243-4250 (1998)
-
[Publications] S.Nakamura et al.: "Magnetic Phase Diagroms and Low-Temperature properties of Ce_<0.5>La_<0.5>B_<26>" Physica B. (印刷中). (1999)
-
[Publications] Magnetic Phase Diagrams of CexLa_<1-x>B_6: "J. J. A. P." Series 11. 1999. O.Suzuki et al. (182-184)
-
[Publications] M.Kosaka et al.: "Quadrupolar ordering and magnetic properties of tetragonal TmA_<12>" Phy. Rev. B. 58. 6339-6345 (1998)