1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 滋 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20154750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 寿夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40250675)
上村 孝 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30005813)
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Keywords | 希薄U不純物系 / U化合物 / NMR / 動的磁性 / 近藤効果 |
Research Abstract |
(1)U化合物のスピン揺らぎ:U_3Pd_<20>Si_6(T_N=19K)は、中性子散乱による結晶場遷移の観測等から5f局在電子系の典型例と考えられてきた。我々は^<29>Si核NMRの核磁気緩和率T_1^<-1>の測定より、常磁性領域でT_1がTに比例して増大すること、これは5fモーメントの緩和率が伝導電子による散乱により決まる場合(Korringa 則)に特徴的な振舞であること、しかし5fモーメントの緩和率はCe系と比べても大きいことを明らかにした。よって、5fモーメントは低エネルギー動的磁性の観点からも局在モーメントとして捉えられるが、同時に従来無視されていた5fと伝導電子との混成効果がU_3Pd_<20>Si_6の物性に重要な役割を果たすことが初めて明らかになった。以上の振舞は以前のUP、UA_Sなど比較的高い磁気転移温度をもつU系の常磁性状態での動的磁性と酷似しており、磁気秩序を示すU系に共通して見られる振舞と考えられる。 (2)希薄U不純物系の基礎物性:昨年度の研究により、典型的な重い電子系化合物U_2Zn_<17>に対応する希薄U不純物系(YU)_2Zn_<17>の基礎物性が、結晶場下の近藤効果により半定量的に説明可能なことが明らかになった。しかし、系の特性エネルギーは、同一結晶構造で格子定数の大きいLa_2Zn_<17>を母体とする(LaU)_2Zn_<17>系と比べて逆に小さいことがわかった。これは、5fと伝導電子との混成強度の格子定数依存性から期待される振舞とは正反対である。この点を明らかにするため、他の希薄U不純物系としてUA1_2不純物系をとりあげ、その基礎物性を格子定数が互いに大きく異なるRA1_2、化合物(YA1_2,ScA1_2)を母体として研究した。その結果U_2Zn_<17>不純物系同様、低エネルギー物性は結晶場下の近藤効果により半定量的に説明可能であるが、特性エネルギーの格子定数依存性はCe系に比べて遥かに小さいことがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shigeru Takagi: "Kondo and Crystal-Field Effects of U Impurities in Dilute (LaU)_2Zn_<17>"J. Phys. Soc. Jnn.. 68,11. 3693-3700 (1999)
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[Publications] D.Maruta: "Evidence from ^<29>Si NMR of the importance of the hybridization between 5f conduction electrons in U_3Pd_<20>Si_6"Physica B. (印刷中). (2000)
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[Publications] S.Takagi: "NMR and NQR studies of Yb_4(As_<1-x>P_x)_3 systems"Physica B. (印刷中). (2000)
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[Publications] K.Hamada: "Development of itinerant-electron antiferromagnetism in the approach to metal-insulator transition in metallic NiS_<2-x> Se_x as studied by Se^<77> NMF"Physica B. (印刷中). (2000)