1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640333
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 攝郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80013499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正剛 日本原子力研究所, 計算科学推進センター・数値実験技術開発グループ, 研究員
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Keywords | 磁気光学効果 / カースペクトル / 遷移金属合金 / 金属多層膜 / スピン軌道相互作用 / 電子構造 / バンド計算 |
Research Abstract |
1.BccFe,HcpCo、FccCo,FccNiなどの強磁性3d遷移金属の単体について、スピン軌道相互作用を取り入れたLMTO-ASA法によって第一原理から計算された電子構造(エネルギー固有値と波動関数)を用いて、遷移行列要素から光学伝導度の対角項、非対角項を計算し、磁気光学カースペクトルを計算した。計算したスペクトルが実験とよく一致することから、基底状態のバンド構造を用いて、一体近似の範囲内で光学遷移を計算してもよい結果が得られることがわかった。特にスピン軌道相互作用に起因するわずかなバンドの分裂も、計算によってかなり正確に再現されていることがわかった。 2.強磁性/非磁性多層膜Fe(nML)/Au(nML)(n=1,2,3,4,5,6)、遷移金属多層膜TM(1ML)/X(2ML)(TM=Mn,Fe,Co;X=Pd,Pt,Ag,Au)、L1 0型規則合金TM-X(TM=Mn,Fe,Co,X=Pt,Au)など多くの物質について,LMTO-ASA法を用いて電子構造の第一原理的計算を行い、その電子構造から遷移行列を計算し、磁気光学カースペクトルを計算した。多くの場合得られたカースペクトルは実験とよく一致した。遷移行列と電子構造の関係を詳しく調べることにより、TM-X界面に軌道混成を介した特徴的な光学遷移(X(5d)->TM(3d))が生じることを発見し、この種の遷移がカースペクトルの特徴を決定していることを明らかにした。 3.ハーフメタルであるPtMnSbなどのカースペクトルも計算して調べ、ハーフメタル性がカースペクトルに大きく影響していることなどを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M. Yamaguchi: "First-principles colculations of the magneto-optical Kerr effect in L1o-type orderd alloys TM-X(TM=Mn,Fe,Coi;X=Pt,Au)"Physica B. 270. 17-34 (1999)
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[Publications] 山口正剛: "強磁性金属における磁気光学Kerrスペクトルの第一原理計算"日本応用磁気学会誌. 23・10. 1990-1998 (1999)
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[Publications] K.Sato: "Magneto-optical spectra of Fe/Au artificial superlattices modulated by integer and noninteger atomic layers"J.of Appl.Phys.. 86・9. 4985-4996 (1999)