1998 Fiscal Year Annual Research Report
強い電子相関を持つ異方的超伝導体中の磁束状態に関する理論的研究
Project/Area Number |
10640334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小形 正男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60185501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 由喜夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40212039)
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Keywords | 電子相関 / 異方的超伝導体の磁束 / t-Jモデル / 高温超伝導 |
Research Abstract |
本研究の目的は、t-Jモデルにおける磁束状態の特異なふるまいや、パラメータ依存性を調べて、実験と比較できるような理論を構成しようという点である。この目的を達成するために、まず平成10年度で数値的な計算のためのプログラムの開発を行ない、得られた結果を論文としてまとめつつある。以下具体的に整理する。 1. 強相関を扱うための近似方法の開発のために、一様な状態に対する変分モンテカルロ法を、反強磁性のオーダーパラメータを含む場合まで拡張した。 2. 以上の数値的な結果を磁束の場合に用いるためには、解析的な近似方法との関連を明らかにし、Bogoliubov-de Gennes方程式に適用できる形にしておく必要がある。そのために今までの近似方法を改良して、数値計算の結果の定性的な理解を得た。 3. 磁束の場合と密接な関係のある、t-Jモデルの表面付近での状態、および不純物近傍での状態を調べた。このためにBogoliubov-de Gennes方程式を数値的に解くプログラムを改良し、かなり大きなサイズでの計算を可能にした。その結果を解析してまとめた。 4. 反強磁性とd波超伝導との関係について、ストライプ状態と関連して議論した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Ogata: "A New-type Superconducting State Locally Induced around a vortex in the Two-Dimensional t-J Model" Proceedings of Taniguchi Symposium. (発表予定).
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[Publications] H.Yamase: "Effects of Charge Density Modulation on Incommensurate Antiferromagnetism : Ginzburs-Landau Study" J.Phys.Soc.Japan. 68. (1999)
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[Publications] M.Ogata: "Theory of the Quasipavticle Spectra around a vortex in the two-dimensional t-t'-J model" J.Phys.Chem.Solids. 59. 1849-1852 (1998)
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[Publications] 小形正男: "高温超伝導体におけるdx^2-y^2波対称性の破れ" 日本物理学会誌. 53. 918-921 (1998)