1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640350
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
橋本 英二 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50033907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善武 広島国際大学, 保健医療学部, 助教授 (80106799)
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Keywords | バリスティック伝導 / 超高純度金属単結晶 / 異方性 / 電気伝導 / 低温電子輸送 |
Research Abstract |
量子極限における電気伝導の理解を深めるために,液体ヘリウム温度での伝導電子の平均自由行程が5mmにも達する超高純度アルミニウム単結晶を育成し,これを用いて,超高純度領域におけるdcサイズ効果とバルク残留抵抗率の異方性,およびバリスティック伝導の結晶方位依存を実験的に明らかにした. 1.dcサイズ効果の異方性:dcサイズ効果は面方位に強く依存し,面方位が{110},{111},{100}の順に大きくなるが,電流方位には殆んど依存しない.面方位が{110}の場合には,バルク残留抵抗率ρ_bとバルク平均自由行程,l_bとの積を0.82fΩm^2と仮定した,Fuchs-Sondheimer理論によって十分記述できる. 2.バルク残留抵抗率の結晶方位依存性:アルミニウムは立方晶単純金属の典型的な例であるにもかかわらず,超高純度領域においては,バルク残留抵抗率ρ_bに強い異方性(電流方位依存性)が現れる.すなわち,ρ_bは電流方位が[110],[111],[001]の順に大きくなり,[001]方向のρ_bは[110]方向の2倍にも達する. 3.バリスティック伝導特性の結晶方位依存:十字型構造の試料に現れる負の曲がり抵抗,すなわち,バリスティック伝導の効果は電流方位が<110>から<100>に向かうにつれて小さくなる. 以上の結果は,アルミニウムのフェルミ面が<100>方向でブリルアン・ゾーン境界に最も近接していることから,ゾーン境界の影響,すなわち,ブラッグ反射の影響として理解できる. 4.非線形電流-電圧特性:超高純度領域においては,電流方向に沿って電場が僅かでも変化する場合には,電流方向に強く依存した非線形電流-電圧特性が現れる.このことは,l_bが極端に長くなった場合には線形応答理論が成立しないことを示すばかりでなく,超高純度金属の非線形素子への応用の可能性を示唆している.
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Research Products
(1 results)