1998 Fiscal Year Annual Research Report
光ピンセットを用いたコロイド結晶およびコロイド粒子間相互作用の研究
Project/Area Number |
10640374
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
西尾 泉 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70180578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 雄一 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40306494)
|
Keywords | 光ピンセット / レーザートラッピング / コロイド結晶 / コロイド / 画像解析 / 枯渇効果 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、以下のように分類、整理できる。 1. レーザーピンセット用の光学系の完成および、2本のレーザービームを使用した、高度な粒子操作を場合に対応できるシステムを製作した。 2. 画像取り込みによる、自動粒子認識システムを作製し、上記のシステムと結合した粒子操作系を確立した。 3. 画像取り込み装置を使った、調和振動子のポテンシャル(レーザートラップのポテンシャルがこれに対応している)に捕らわれた粒子の拡散運動の測定と、理論との比較を行い、これが理論と良く一致することを検証した。 4. この方法を、コロイド結晶に適用し、コロイド結晶中の粒子は、調和振動子のポテンシャルに捕捉されていることを検証した。この結果は‘96年に、J.Bongers等(J.Chem.Phys.104(4),22,1996)によって既に報告されているが、我々はある粒子の最近接粒子の位置を限定した条件つき確率分布を求めることによって、彼らが求めたのは周りの粒子の運動による効果を取り込んだ、有効ポテンシャルであることを示し、我々の方法によってはじめて、本来のポテンシャルを決定できることを示した。 5. この系について、J.Bongers等は結晶中の粒子の運動解析を行い、有効ポテンシャル中を拡散運動する粒子としての簡単なモデルでは説明できないことを指摘しているが、我々は格子振動のモードをオーバーダンプすることによって発生する拡散モードとその緩和時間の分布からこの運動を説明できると言う予測を行った。
|