1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640389
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々田 博之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30146576)
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Keywords | レーザークーリング / ラゲールガウスビーム / 光トラップ |
Research Abstract |
昨年度、レーザークーリングの実験装置を組立て、85Rbと87Rbの磁気光学トラップに成功した。本年度はレーザークーリングの実験環境の設備と実験装置の改良を行った。また、ラゲールガウスビームの高効率の発生法の予備実験を行なった。 冷却原子の温度や密度の測定を行うために、トラップされた原子雲の画像をCCDカメラで撮影し、高速でパーソナルコンピューターに取り込むシステムを作った。同時に実験全体の制御をパーソナルコンピューターで行えるようにした。 ラゲールガウスビームによる冷却原子の光トラップを目指しているが、加熱が少なくしかも深い光ポテンシャルを作るためには大きな光強度を必要とする。従来はチタンサファイアレーザーの共振器内にワイヤーを挿入してモード制御していたが、損失が大きく光出力は小さい。本研究では最も損失の小さなTEM00モードでレーザーを発振させ、この光を位相板に通すことにより高次エルミートガウスビームに変換する。位相板の損失は小さく、ラゲールガウスビームへの変換も高効率で行なった。 レーザークーニングの光源に半導体レーザーを使用しているが、Rbの共鳴線と同調させるためにはレーザーの温度を下げなければならない。結露を避けるために冬期以外実験ができなかったが、昨年夏にエアコンを設備した。工事期間中実験ができなかったが、今後は季節を問わずに実験できる環境が整った。 化学的に激しい性質のRbにさらされていた真空系にトラブルが多発した。このため、真空系にバルブを増やし、ターボポンプを常時使えるように改良した。 予期せぬトラブルや工事のため、当初計画したラゲールガウスによる冷却原子の光トラップや画像取り込みシステムを利用した実験は行えなかった。しかし、今後の実験のために必要な準備を行うことができた。
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