1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640399
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊地 正幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20046147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 佳子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30262083)
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Keywords | 再来地震 / 震源過程 / アスペリティ / カップリング率 / 東南海地域 / 三陸沖地域 / 日向灘地域 |
Research Abstract |
本研究では、日向灘や三陸沖で過去数十年の間に再来したM7〜8クラスの地震の震源過程を比較することにより、同一地域での大地震の再現性・非再現性を明らかにすることを目的とした。これに関し、我々は以下のような極めて興味深い結果を得ることができた。 1944年東南海地震、1968年日向灘地震、1968年十勝沖地震について、遠地及び国内の地震記録を用いて、断層すべりの不均一分布を求めた。1968年の十勝沖地震の震源域は2,3個のアスペリティ(大きなすべり域)から成り、その1つは1994年の三陸はるか沖地震でも断層すべりを起こした。この共通アスペリティでのモーメント解放は68年から94年までのモーメント蓄積量と同程度であり、このことからアスペリティにおけるカップリング率はほぼ100%であることが示唆される。一方、日向灘ではM7クラス相当のアスペリティがやや離れて分布することがわかった。ここでは複数のアスペリティが同時に動くことは無いと推測される。これに対し、1944年東南海地震は基本的にM8クラス相当の1個のアスペリティから成り、M7クラスのセグメント構造は存在しない。これらの結果は、日向灘でM8クラスの巨大地震が発生していないこと、逆に、東海地域でM7クラスの地震が皆無であることと調和的である。
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[Publications] 永井理子、菊地正幸: "1968年十勝沖地震と1994年三陸はるか沖地震の震源の比較(2)"地震学会予稿集. 2. P071 (1999)
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[Publications] 菊地正幸ほか: "気象庁強震記録による1944年東南海地震の震源過程"地球惑星科学関連合同大会プログラム. Si-016 (1999)
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[Publications] Kikuchi,M.et al.: "Determination of source parameters of 1940's destructive earthquakes in Japan using smoked paper seismograms"IUGG 99 abstracts. B. 214 (1999)
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[Publications] Kikuchi,M.,Y.Yamanaka,K.Abe and Y.Morita: "Source rupture processes of the Papua New Guinea earthquake of July 17,1998 inferred from teleseismic body waves"Earth Planets and Space. 51. 1319-1324 (1999)
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[Publications] Yagi, Y.,M.Kikuchi,S.Yoshida and T.Sagiya: "Comparison of the coseismic rupture with the aftershock distribution in the Hyuga-nada earthquakes of 1996"Geophys.Res.Lett.. 26. 3161-3164 (1999)
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[Publications] 菊地正幸ほか: "1948年福井地震の震源パラメーター--1倍強震計の解析"地震. 52. 121-128 (1999)