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1998 Fiscal Year Annual Research Report

2次元マントル大循環モデル構築へ向けて-マントル進化におけるリソスフェアの役割

Research Project

Project/Area Number 10640401
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

小河 正基  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30194450)

Keywords火成活動 / マントル対流 / リソスフェア / 粘弾性 / マントル進化
Research Abstract

第一に,マントル物質が粘性率が温度と圧力に強く依存する粘性流体であるとした場合の,二次元火成活動マントル対流結合系の数値シミュレーションを行った。筆者はこれまで,粘性率が一定とした場合の同様の数値シミュレーションを行ってきた。そして,このシミュレーションにより,放射性元素の壊変によるマントルでの内部発熱量がある閾値を越えると,マントルの熱化学的状態は,「火成対流相」とよばれる現在とは違ったレジームに入ること,および,この火成対流相は,実際,放射性元素を豊富に含んでいた太古代の地球のマントルで実現していたことを示唆してきた。この火成対流相においては,マントルは化学的に成層し,マントル対流は火成活動の影響を強く受け,熱対流とは大きく異なった振る舞いをする。今回の数値シミュレーションにより,この火成対流相は,マントル物質の粘性率が温度・圧力に強く依存し,その結果リソスフェアが形成される場合にも存在することを示した。この結果は,太古代の地球のマントルが火成対流相に属していたという先の結論を更に強化するものである。
第二に,マントル物質を,粘性率が温度・圧力に依存する粘弾性体(マックスウェル流体)とした場合の,火成活動マントル対流結合系の数値シミュレーションを行うためのプログラムを開発した。これは,本計画の最終目的である,プレート運動を考慮した結合系の数値モデル化への第一歩である。地球において,非常に高粘性のプレートが海溝で曲がって沈み込めるのは,プレートが,熱的な浮力によって生じた応力の結果,プレート境界で弾性的に曲がるからであり,マントル物質を粘弾性体とすることは,プレート運動の数値モデル化に必要不可欠のステップである。筆者は,世界に先駆けて,この粘弾性体の対流の数値モデル化に成功した。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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