1999 Fiscal Year Annual Research Report
海洋フロント域の混合過程における二重拡散対流の影響
Project/Area Number |
10640419
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
吉田 次郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30174931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10087570)
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Keywords | 常磐鹿島沖 / 親潮系水 / 水温逆転 / 水平貫入 / 異水魂 / 中立面解析 / キャベリング / ソルトフィンガー |
Research Abstract |
A.常磐、鹿島灘沖海域にかけて矩形(30'×30')の観測領域(16点)をもうけ、ほぼ二日において2回CTD、ADCP観測をおこなった。その結果 1)観測海域全体で、全層にわたって北向きの流れが卓越しており親潮系と見られる低温低塩分水は1回目の観測では、より沿岸に近い海域の300m深付近のみで観測され、この付近でのみ1回目に南向流れが観測されたのに対して、2回目の観測では300m以深全体に広がっていた。 2)この親潮系水の広がりに対応して、水温温度の鉛直分布に顕著な水温、塩分の逆転構造が発達した。この構造中では、低温低塩な水塊と高温高塩な水塊が鉛直方向に交互に重なり合っていることから、二重拡散対流が発達する可能性があることが示唆された。 3)親潮系の低温低塩分水は北方より南方で、また、1回目より2回目で多く観測された。このことと、流れの場の観測から、親潮系水は沿岸7付近を南下し、強い北上流によって北向きに観測海域付近に広がった可能性があると考えられた。 4)1998年のより広い海域(2度×2度)のCTDデータから水温逆転に注目し解析した。その結果 4)-1観測時の鹿島沖では水温逆転は沿岸より沖合で多く見られ、弱い逆転は観測海域全域で見られたのに対し、強い逆転は北方で多く見られた。4)-2強い逆転が多く見られたのは、異なった水塊が水平方向に接し、異なった特性を持つ水塊の水平貫入が示唆される場所であった。一方弱い逆転が多く見られたのは、冷水塊の下層であった。 B..北海道南方から、黒潮続流域までの広範囲にわたってとられたCTDデータを解析し、中立面解析を用いることにより、キャンベリングとソルトフィンガーが北太平洋中層水の変質過程に重要な役割を持つことが示唆された。キャンベリングとソルトフィンガーが起こりうるのは親潮系水が黒潮系水中に観入する中層域の境界付近であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nagasaka: "On the double diffusive intrusion observed in the Oyashio frontal region"Theoretical and Applied Mechanics. 48. 393-408 (1999)
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[Publications] J.Yoshida: "Numerical experiments on double diffusive gravity currents"Theoretical and Applied Mechanics. 48. 385-392 (1999)
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[Publications] R.Inoue: "Vertical mixing processes to change density of North Pacific Intermediate Water around mixed water religion"J.P.O.投稿予定. (2000)