1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640420
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
松山 優治 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00092594)
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Keywords | 急潮 / 沿岸捕捉波 / 沿岸密度流 / 台風 / 内部ケルビン波 / 陸棚波 / カップリング / 黒潮系水 |
Research Abstract |
(1) 気象擾乱により発生した沿岸捕捉波が強流として沿岸急潮を引き起こす機構の解明を、相模湾周辺海域を対象として研究してきた。基本的な変動を捉えるべく長期係留観測の解析から周期特性を見つけ、沿岸での数日周期の変動は沿岸に平行に吹く風の応力が原因で、2〜3日周期の変動は湾内で発生したもの、5〜6日周期は房総半島から鹿島灘沿岸で発生した沿岸捕捉波が湾内に伝播してきたことを明らかにした(Kitade et al.1998)。 (2) 鹿島灘から房総半島で風に依って起こる沿岸捕捉波の数値実験を行い、第一モードは陸棚波、第モードは内部ケルビン波に類似した性質を持つが、房総半島の勝浦沖の海底地形急変域でカップリングにより陸棚波モードから内部ケルビン波モードへのエネルギーの移行が起こることを示した(Kitade and Matsuyama,1998 AGU Fall Meeting)。 (3) 黒潮系水の進入に伴い相模湾で発生した急潮の力学を観測結果から捉えた。沿岸急潮は沿岸密度流の構造を示し、陸岸に平行な成分は非線型が効いて、強い流れとなっていることが明らかになった。黒潮流軸の解析から、この急潮は黒潮流路の変遷課程で起こったと推測された(Matsuyama et al.1999)。 (4) 極めて稀に、房総半島沿岸から相模湾の中層に進入してくる低塩分水を見つけ、この水塊が親潮系水であると同定し、その浸入経路を明らかにした。力学は沿岸密度流に類似し、渦度を保存しながら進入する様子が伺えた(Senjyu et al.1998)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Matsuyama,M.,H.Ishidoyaほか: "Kyucho induced by intrusion of Kuroshio Water in Sagami Bay,Japan." Continental Shelf Research.(accept). (1999)
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[Publications] Suzuki,T.and M.Matsuyama: "Numerical Experiments on Wind-induced Circulation in Stratified Tokyo Bay,Japan." Estuary,Continental Shelf Science. (accept). (1999)
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[Publications] Kitade,Y.,M.Matsuyamaほか: "SDP and LP fluctuations observed along the coast of Sagami Bay." Journal of Oceanography. 54・4. 297-312 (1998)
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[Publications] Senjyu,T.,N.Asano,M.Matsuyama and T.Ishimaru: "Intrusion events of the Intermediate Oyashio Water into Sagami Bay,Japan." Journal of Oceanography. 54・1. 29-44 (1998)