1998 Fiscal Year Annual Research Report
海洋表層混合層の微細構造の観測とその数値モデル化に向けて
Project/Area Number |
10640421
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
山崎 秀勝 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80260537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10087570)
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Keywords | 表層混合層 / 乱流 / 微細構造 / 数値モデル |
Research Abstract |
本研究は、現在開発中の乱流観測装置(Turburence-Microstrucuture Acquisition Profiler:TurbMAP)を用いて表層混合層内の乱流・拡散過程を観測し、これらの過程が混合層の動体にはたす役割を解明することが目的である。さらにこれらの観測結果をもとに、これまで頻繁に利用されてきたMello-Yamada closure modelの混合層モデルの妥当性について検討する。そこで、初年度は現在も開発中であるTurbMAPのデータ処理ソフトの開発、TurbMAPの機能試験が活動の中心であった。また、我々の研究室でMello-Yamadaのclosure modelを用いて混合層の動態を計算できるようにコンピュータの環境を整えた。 TurbMAPの開発はヴィクトリア大学のLueck教授の技術指導のもとにすすめている。平成10年5月にLueck教授は来日し、本研究代表者(山崎)とともにTurbMAPの制作にあたっているAlec電子を訪問した。この時の技術指導のおかげでTurbMAPは、国際的にも第一級の海洋観測装置として仕上がってきている。この観測装置の予備実験は、8月に広島県呉市の近海で、10月には日光の中禅寺湖で小型の船舶から行った。さらに、11月には東京水産大学の研究・練習船青鷹丸を用いて実験を計画したが、荒天のため実行不能となり断念した。平成11年3月には、今年度最後の予備実験を琵琶湖で予定している。TurbMAPは一般的なCTD及び乱流の成分ばかりでなく、微細に分布したクロロフィルや濁度も計測できるように設計した。装置は自由落下型のもので、毎秒約50センチ-メートルで降下する。この回収は、装置に接続してあるケブラーケーブルを巻き取ることで行う。このため、ケーブルが切れて回収不能になる危険性があるため外洋での使用についてはいまのところ慎重である。Mello-Yamadaのclosure modelは米国で開発されたものを入手して、我々の目的にあったものに改良を加えているところである。現在は、館山湾坂田沖に、東京水産大学が設置した気象・海象観測装置から得た現場でのデータとの比較をおこなっており、物理量が正しく計算されているか検討している。
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