1999 Fiscal Year Annual Research Report
海洋混合層の微細構造の観測とその数値モデル化にむけて
Project/Area Number |
10640421
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
山崎 秀勝 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80260537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10087570)
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Keywords | 乱流 / 微細構造 / closure model |
Research Abstract |
本研究は、現在開発中の乱流観測装置(Turbuernce-Microstructure Acquisition Profiler:TurbMAP)を用いて表層混合層内の乱流・拡散過程を観測し、これらの過程が混合層内の動体にはたす役割を解明するのが目的である。さらにこれらの観測結果をもとに、これまで頻繁に利用されてきたMellow-Yamada closure modelの混合層モデルの妥当性について検討する。昨年度より、Lueck教授の技術協力を受けて開発をすすめているTurbMAPは、昨年度の現場実験の成果をもとにさらに改良が加えられ、本年度は3回の現場実験をおこなった。まず、第一回目は、改良後の初テストを本学研究練習船青鷹丸により相模湾で行った。第一回目の実験により、乱流測定プローブに問題があることが判明し、再度、Lueck教授の技術協力を求め解決にあたった。第二回目の実験は夜間の対流現象観測する目的で、24時間観測を琵琶湖北湖の中央部で行った。さらに、三回目の実験を、本学練習船神鷹丸により小笠原海城で行った。これらの一連の現場実験から、湾内や湖などの静穏状態においては、乱流及びクロロフィル・濁度の微細構造を測定することができることを確認した。しかし外洋のうねりを伴う条件の場合では、これまでのウインチ及び回収ケーブルでは不十分であることが判明した。現在、この部分の改良をすすめているところである。 第2回目の琵琶湖での実験は対象にしていた対流現象を捕らえることが出来た。観測は、10分間隔でほぼ20時間行い、夜間の対流混合層の発達状態を詳細に観測することが出来た。現在は、このデータの解析をすすめ、混合層の数値モデル(Mellow-Yamada closure model)と比較できるようなデータベースを作成中である。またMellow-Yamada closure modelとランダムウオークによる植物プランクトンの生態モデルを我々のワークステーションでシミュレートできるように数値実験の環境を整えることに成功した。
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