1998 Fiscal Year Annual Research Report
モンスーンアジア季節進行の中で梅雨水循環確立過程と年々変動に関する研究
Project/Area Number |
10640423
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 内蔵進 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90191981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80165894)
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Keywords | モンスーンと梅雨 / 梅雨水循環の季節進行 / 梅雨水循環の年々の変動 / GAME特別観測 / 梅雨と秋雨の水循環 / 梅雨降水帯とメソの役割 |
Research Abstract |
GAME(アジアモンスーン水循環観測研究計画)の特別強化観測年でもあり,長江流域大洪水の起きた1998年春から夏,中国淮河流域で大洪水のあった1991年7月前半の事例,梅雨との比較のための秋雨期の前線帯での水循環の特徴と年による違い(1993,94,95年の比較),等に関する解析を行い,主に次の結果を得た。なお,これらの中間報告の一部は,1999年6月の北京でのGAME国際研究集会においても発表される予定である。 1. 1998年夏には,5月17日頃のインドシナモンスーン開始に伴って,南シナ海北部〜華南の梅雨前線帯での対流活動の強化は明瞭に見られたものの,6月10日頃のインドモンスーン開始後も,モンスーン西風の南シナ海以東へ侵入は持続しなかった。これが,夏を通じた長江〜日本列島域での前線帯の停滞をもたらした重要な要因の1つである可能性がある。また,淮河流域に梅雨前線帯が停滞した6月29日〜7月3日頃のマルチスケールのメソ降水系と前線帯スケールでの大雨の維持に関して,四川盆地から東進した南西渦など,興味深い幾つかの事例の予備解析を行った。 2. 中国淮河流域における1991年7月前半の梅雨前線帯スケールでの大雨域の持続は,南から前線帯への多量の水蒸気を効率的に捉えたためと考えられるが,降水帯付近における下層の「低温域」と,対流系も含むメソα低気圧とのマルチスケール相互作用の役割の重要性が,事例解析により明らかになった。 3. 梅雨期と違って秋雨期には,大陸からの寒気の南下と熱帯西太平洋域の対流活動域の東西の偏りの年による違いも大きい。そのため,前線帯の季節的な南下とその年々の違いの他に,熱帯の対流活動に起因する亜熱帯高気圧の下層風構造の東西変化に伴い,前線帯での雲・降水活動の東西方向の偏りも年によって大きく異なり得ることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松本淳: "グローバルにみた梅雨前線帯" 地理. 43巻6号. 31-37 (1998)
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[Publications] 加藤内蔵進: "梅雨のメカニズムと日本" 子供の科学. 61巻6号. 26-29 (1998)
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[Publications] 加藤内蔵進: "モンスーンと日本 -四季の降水環境や異常気象との関わり-" 日本気象学会関西支部夏季大学テキスト. 第20回. 58-77 (1998)
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[Publications] 加藤内蔵進: "1998年のGAME/HUBEX観測期間中の気象状況の概要とアジアモンスーン(速報)" 日本気象学会関西支部例会講演要旨集. 83号. 60-63 (1998)
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[Publications] 福田維子: "夏から秋の日本の異常気象の季節推移と前線帯の変動に関する研究" 日本気象学会関西支部例会講演要旨集. 83号. 72-75 (1998)
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[Publications] 木尾尚登: "1991年7月前半における長江・淮河流域の前線帯スケール水循環過程の解析" 日本気象学会関西支部例会講演要旨集. 83号. 64-67 (1998)