1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640427
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
渡邉 尭 茨城大学, 理学部, 教授 (10023681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 恵 茨城大学, 理学部, 助手 (10261736)
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Keywords | 太陽 / CME / 太陽風 / 惑星間空間衝撃波 |
Research Abstract |
太陽活動周期の上昇期にあたる1997-1998年に発生したCMEに伴う惑星間空間衝撃波の伝播特性を調べた.主なデータ源は,人工衛星や電波シンチレーション観測によって得られた太陽風データと,SOHOなどの太陽観測衛星によって得られたコロナ画像データである.このうち1997年11月初旬に発生した一連の太陽フレアに伴う高速のCMEの場合,南北両半球にわたって広く広がる惑星間空間衝撃波が観測されたが,惑星間空間の高緯度帯に比べ,黄道面の周辺においでは比較的伝播速度が低いことが見いだされた.この時期は惑星間空間磁気中性面が黄道面付近にあり,磁気中性面に沿って分布する低速,高密度の太陽風のため惑星間空間衝撃波の伝播速度が周囲よりも低くなっていることが示された.惑星間空間衝撃波の形状は,関連したCMEの形状と良く似ており,この結果を前回の太陽活動極大期に観測された惑星間空間衝撃波の形状と比較して見ると,太陽活動が活発な時期の惑星間空間衝撃波の拡がりは比較的狭いものが多く,緯度方向にもフレアが発生した南北いずれかの半球内に伝播が限定されているケースが多く見られた.これは太陽活動極大期における惑星間空間磁気中性面が黄道面から大きく離れて波打っており,惑星間空間衝撃波の伝播が磁気中性面によって妨害されていることに起因するようである.このように磁気中性面が惑星間空間衝撃波の伝播に影響を与えていることは計算機シミュレーションによっても示され,その重要性が次第に認識されつつある.この研究成果は,COSPAR98,米国地球物理学会,INTERBALLシンポジウムなどの国際研究集会や,地球電磁気・地球惑星圏学会で発表された.今後は更に観測データを収集して太陽活動の活発化とともに惑星間空間衝撃波の伝播特性がどのように変化して行くかを追跡する.
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Research Products
(1 results)