1998 Fiscal Year Annual Research Report
熱履歴から見た阿蘇カルデラにおける火砕流噴火の多様性とダイナミクス
Project/Area Number |
10640437
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 助教授 (20192544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 浩毅 京都大学, 総合人間学部, 教授 (80303791)
井口 博夫 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (40112073)
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Keywords | 大規模火砕流堆積物 / 残留磁化 / 熱履歴 / 阿蘇火砕流 / 阿蘇カルデラ / 段階熱消磁 / 堆積温度 / 溶結度 |
Research Abstract |
高温の気固混相流として移動・堆積する大規模な火砕流堆積物には溶結度の変化が一般的で、非溶結から強溶結をへて二次流動を示すものまで、堆積時の温度の異なりが推定される。そこで、詳細な熱消磁実験に基づき、給源が等しく、岩相が異なる阿蘇火砕流堆積物の4回の噴火サイクルの火砕流堆積物のうち、高温堆積が推定される阿蘇-1火砕流堆積物と阿蘇-2Aの強溶結部、更に高温堆積が推定される阿蘇-2R火砕流堆積物の強溶結部、比較的低温堆積が推定される阿蘇-4A火砕流堆積物の強溶結部からそれぞれ2〜3地点ずつ、合計9地点から81の定方位試料をハンドサンプリングとドリルサンプリングによって採取した。ハンドサンプリングによる試料については室内で円筒形の試料に整形し、100、150、200、250、300、350、400、450、500、530、560、590℃の温度について段階熱消磁実験を行い、交流消磁装置を用いて交流消磁実験を行い磁化の安定性を確認した。段階熱消磁実験の結果、阿蘇-2A・2R・4A火砕流堆積物はほぼ1成分の残留磁化を有し、560℃以上の温度で堆積したと考えられる。阿蘇-1火砕流堆積物のうち堆積後の2次流動の一種であるレンズの絞り出しが観察される露頭では2成分の残留磁化が認められ、冷却しつつ、2次流動が進行したことが推定された。2次流動の著しい阿蘇-2Rについては1成分の磁化方向を示し、少なくとも2次流動は560℃以上で完了していたと考えられる。阿蘇-2A、阿蘇-2Rともにその古地磁気方向は異常に深い伏角を示すことが明らかになった。来年度は非溶結堆積物中の外来岩片の残留磁化を測定することによって阿蘇-1から阿蘇-4火砕流堆積物の冷却過程を復元し、火砕流の噴火様式を比較する。
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[Publications] 中村芳貴: "二上層群上部ドンズルボー層の火砕物の残留磁化と堆積様式" 火山、第2集. 43. 423-432 (1998)
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[Publications] Kamata,H.: "Quaternary volcanic front at the junction of the Southwest Japan Arc and the Ryukyu Arc." Journal of Asian Earth Sciences. 16. 67-75 (1998)
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[Publications] Kamata,H.: "Volcanic history and tectonics of the Southwest Japan Arc and the Ryukyu Arc since 2 Ma." The Island Arc. (in press).